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タグ・ホイヤー モナコ クロノグラフ スケルトンのさりげない魅力

モナコ市で開催されるモナコF1グランプリで、タグ・ホイヤーのモナコを身につける。


モータースポーツを(少しは)評価するという新しい時代を迎えようとしている。というのも生活のために時計の記事を書いている人間は、いつかクルマの話をしなければならない可能性があるからだ。自分の強みはわかっているし、何にでも興味を持つふりをするのは得意ではない。だから、タグ・ホイヤーのモナコを着用して、モナコで開催されたF1を観戦したことは、この10年間で一番楽しかったかもしれないという私の気持ちを、どうか信じてほしい。


タグ・ホイヤーは、2011年からモナコGPのオフィシャルウォッチパートナーを務めるほか、2016年からはF1チームであるオラクル・レッドブル・レーシングのパートナーもしている。タグ・ホイヤー(ルビ:ヴィンテージ・ホイヤー)は、間違いなくモータースポーツウォッチとクロスオーバーしたい愛好家のためのブランドである。

タグ・ホイヤーのモナコウォッチは、その誕生以来、いや、実際にはスティーブ・マックイーンがル・マンで着用して以来、“時計愛好家が選ぶアイコニックな時計”の定番となっている。ル・マンのスティーブ・マックイーンに夢中になっていた私でさえそう感じている。

モナコは決して簡単に線引きできるモデルではない。正方形で、大きく、少し派手な面があり(これは否定ではなく、大胆なデザインこそが美学の進化を衰えさせないのだ)、そして現在、この新しいオープンワークという文字盤デザインで、より視認性の高い先代モデルよりもさらに存在感を示している。

厳密には、実はタグ・ホイヤーがスケルトン仕様のモナコを製作したのはこれが初めてではない。

私が選んだスケルトンクロノグラフは、ブラックDLCのサンドブラスト仕上げのダイヤルと、同じくブラックDLCサンドブラストを施したチタンにターコイズのアクセントを加えたもの。この時計は私が普段買うような時計であると見栄を張るつもりはない。本当のことを言うと、角型の黒いオープンワークなんて私の琴線からはほど遠い場所にあるように思うだろう。でも何度でも話すが、私は変わったデザインと、リシャール・ミルに好意を抱いているので、自分自身と時計に身を任せて楽しんでいるに過ぎない。

39mmのケースは、(化粧品ブランドの)メイベリンがマスカラの最も濃い色を“ブラッケスト ブラック”と呼ぶような真のブラックで、さらに針、インデックス、日付表示窓にはスーパールミノバを塗布。ブラックとターコイズブルーのカラーリングが非常にクールで、スケルトナイズによってタグが目指している近未来的な雰囲気をさらに高めている。この時計の文字盤ではいろんなことが起きているが、配色されたサブダイヤルや針のコントラストは、不思議なほどにすべてを見やすくしている。右側のケースサイドにDLCブラックコーティングのリューズとプッシャーを備えたモダンなモナコは、ケーシングが非常に滑らかでコンパクトにも感じるし、若干カオスな内部にある種穏やかな境界線を与えているとも感じる。

オープンケースバックからは、合金製のレーシング・ホイールを模したローターが付いたムーブメントが鑑賞できる。そして従来のレザーに必要なアップデートが施された、ラバーとレザーのハイブリッドストラップを採用している。

新しいモナコ クロノグラフは、シースルーバックから覗くCal.ホイヤー02 自動巻きムーブメントを搭載し、約80時間のパワーリザーブと100mの防水性を確保。141万3500円(税込)の価格で提供される。

今回のモナコ・イン・モナコは、本当につけ心地がよく、なぜか私の手首にしっくりとなじんだ。いつもブレスレットで覆われている私の右腕と対をなすにふさわしい。私のワードローブのスローガンである“more-is-more(多ければ多いほどいい)”にぴったりだ。

モナコでモナコをつけることは、まるで秘密結社の一員になるような感覚だ。実際、切り札を手にしたようなものである。なぜならモナコGPで繰り広げられる本物の狂気と優雅なお祭りは、凡人の選択肢に入らないからだ。ロロピアーナを着用してチップは100ドル札のみ用意している味方がいない限り、これはクローズドサーキットでのイベントに過ぎない。

だが私は傍観者の立場であること以上に楽しいことはない。動物学者のジェーン・グドール(Jane Goodall)が野生の動物を観察するように、私もモナコに実際に赴いて、サーキットやパドック、そしてジミーズ(知っている人は知っている)で実際に何が起こっているのかを見に行った。ボートで泊まったまま練習用のラップ音で目を覚ますような環境、かつマックス・フェルスタッペン(Max Verstappen)から数メートルしか離れていないことを知ったら、イエス以外の選択肢はないだろう?

1日目は、真っ黒なDLCコーティングをした四角いモナコを装着していた。ちなみにこれは時間が経つにつれてとても気に入ってしまった。最初はケース形状に違和感を覚えたが、やがて目が慣れてきて、最終的には地中海フューチャリズムを感じさせるターコイズブルーのアクセントが効いた黒い四角形が好きになりそうになった。非常に狭く、急な曲がり角が多い、地球上で最も過酷なサーキットとして知られるコースを、ホット・ラップ(F1ドライバーが運転するその隣に乗ることができる体験)で周った。その日の朝、私は朝食を食べるという非常に重大なミスを犯した。

吐き気を催す前の私に割り当てられた2023年型ポルシェ911 GT3 RSに、私は無邪気にも乗り込み、比較的中年でとても純真そうなフランス人のコ・パイロットの隣でシートベルトを締めた。この紳士は物理的に可能だと思っていたよりも速いスピードで運転してくれた。そのとき、私がいかに世間知らずであったかを思い知らされた。なんて街の見せ方だ! それが実際に楽しいかどうかの目印は、スマートフォンでビデオを撮らないことである。だから証拠はないが、当時のスリルと強く握りしめた白い拳の記憶はずっと残っている。

ガタガタと手足が浮きながらも予選の様子を見たり、人々のボートにテンダーを運んだり、シャンパンを飲んだりと、その日の活動を進めた。もちろん、すべてはリサーチの名の下に行ったことだ。

そして、タグ・ホイヤーのサタデーナイト・ソワレが始まった。巨大なタグ・ホイヤーの風船、汗だくの人々の顔に光が反射するなど、夢のようなダンスフロアでカイリー・ミノーグ(Kylie Minogue)のパフォーマンスを見たり、またモナコをつけたコナー・マクレガー(Connor Mcgreggor)が予告なしにボートに現れるなどメンタルの準備ができない場面もあった。母のために(カイリーの)ビデオも撮った。

レースの日は予想以上に早くやってきた。それも、私が地球上で最も好きなナイトクラブである、前述したジミーズでの一夜のあとに。内装はフィリップ・プレインとの共同デザインで(ジミーズをよく利用する人たちが、この皮肉を完全に理解しているかはわからないが、私はとても楽しめた)、水場と壁画はアレック・モノポリー(申し訳ないけど超おもしろい)がデザインしている。ドンペリニヨンのボトルをライトアップするには最適かつ唯一の会場かもしれない。私は誇らしげにモナコを身につけ、壁画の前で何枚も写真を撮影した。その写真は決して日の目を見ることはないが。

私は継父が、テレビでF1を観戦しているような穏やかでない雰囲気のなか育った。『Formula 1: 栄光のグランプリ(原題:Drive to Survive)』やクリス・ジェンナー(Kris Jenner)がパドックを練り歩くのが流行る前のヨーロッパで育った人間にとっては、ごく普通のことだ。でも実際にレースを見ていると、少なくとも最後の数周まではなんだか拍子抜けしてしまった。テレビ観戦のようにコース全体を見ることはできないからだ。でも会場の雰囲気は漂っていて、タグ・ホイヤーのロッジでトム・ホランド(Tom Holland)が隣に立っているときや、純粋に優勝チームを応援しているときのほうが楽しいことは、誰もが知っている。


モナコに72時間滞在し、そしてモナコを身につけていた私は、この時計がレースのスリルとクルマ文化の真の象徴であることを確信した。マルジェラのTabiが本当にファッションを愛し、理解している人のためのものであるのと同じように、クルマのことが本当に好きでなければこれをつけることはないだろうし、そのほうがクールだと思う。


新しいスケルトンは、元のオリジナルデザインと比べると逸脱しているかもしれない。しかし、私は革新と進化を求めている。安全策をとるのは、サーキット内外を問わず敗者のすることだ。

あなたが時計を買うとき、何を重視するだろうか? 

確かに全体に漂う美しさは、ほとんどの購入者を引きつける。ブランド名もそうだ。そしてもちろん、市場にあるすべての選択肢と比較しなければならないだろう。しかしあなたがコレクションを作るにせよレビューをするために時計を見るにせよ、 ほとんどの人はある時点で、自分が買うかもしれないひとつの時計がそのブランドについて何を物語っているのかを考えるようになると思う。私はその時計が優れているかどうかだけでなく、そのラインナップ全体がまとまりを持っているかどうかも気になる。その時計は果たして、そのラインナップを象徴するものなのだろうか? これらの要素を満たすものが、私にとっては少なくとも検討する価値のある時計といえる。
カール F. ブヘラが本当に得意とするものがあるとすれば、それはラインナップの統一感だ。同ブランドは、私が挙げたようなちょっとマニアックなウォッチメイキング、ペリフェラルローターによる巻き上げ方式にずいぶん前から取り組んできた。巻き上げローターをムーブメントの端(外周)に配置するという、時計学的に巧妙なトリックを発明したわけでもなく、それを行う唯一のブランドでもない。だが、それをラインナップに統合し、製造本数と価格の両方で大衆に提供することに最も優れた仕事をしたブランドであることは間違いない。その一例が、今年初めに発表されたマネロ ペリフェラルの最新モデルである。
この時計は基本的に既存のラインナップに新しい文字盤バリエーションを加えるものだが、さらなる特徴を秘めている。実はCal.A2050ムーブメントの導入については2016年に記事として取り上げているが、このときは伝統的なケース素材と文字盤の組み合わせによるドレッシーな時計という位置付けだった。
このとき用いられた伝統的なアプローチは理にかなっていた。ペリフェラルローターの利点は、中央で回転するローターに邪魔されることなくムーブメントの仕上げを鑑賞できること、そしてマイクロローターよりも効率的な巻き上げができることだ。だが、スモールセコンドの採用はこのムーブメントに単にドレッシーさを与えただけのように見えた。そして市場に溢れるその他多くのセミドレスウォッチの波に飲まれていってしまった。
COSC認定クロノメーターを取得しており、2万8800振動/時で駆動し、55時間のパワーリザーブを有するムーブメントに変わりはない。しかし今作においてカール F. ブヘラは、マネロ ペリフェラルが今日のシーンでより大きな存在感を示すことができるような、視覚的な衝撃を与える方法をついに見つけたのだと思う。
私のほかの記事を読んでくれている方ならすでにご存じだと思うが、私は色彩が時計に与える影響に魅せられ、すっかり抗えなくなっている。また過去10年間にHODINKEEで取り上げた時計を振り返ってみると、現在私たちはカラー・ルネッサンスの渦中にいるのではないだろうかと思う。というのも、ここ最近で特に膨大な量のカラーウォッチが市場に登場しているように思えるからだ。そして6色(もしくは芸術、物理学の観点から黒をどう見るかによって変わってくるが)からなるカラーバリエーションは、この時計をもう1度見直すに十分な動機となるだろう。
ペリフェラルローターのデザインにはいくつかの欠点があり、その主なものとしては時計の文字盤のバランスがしばしば崩れてしまうことが挙げられる。ローターがムーブメントの端を占めるため、時計の直径を大きくするか、輪列のレイアウトに変更を加える必要があるのだ。センターセコンドの場合は、まあ、4番車はしばしば文字盤の端ではなく中央寄りに配置されることになる。これは1度気づいてしまうと無視できない問題だ。ヴィンテージウォッチも現行モデルもその多くがバランスを微妙に崩してしまっていて、購入を検討するほど気に入っていたとしても私がなんとなく踏み切れない原因となっている。
カール F. ブヘラは、このアンバランスなデザインから目をそらさせるか、あるいはデザイン上の特徴に変えるために、いくつかのスマートな工夫を凝らした。シリーズの大半は円形のヘアライン仕上げが施されたカラフルな文字盤を持ち、光の加減で輝きや色の移り変わりが楽しめるようになっている。また6時位置のスモールセコンドは文字盤の表面からややくぼんでいるが、それを隠すのではなくデイト窓とマッチするブラック仕上げにすることでコントラストを演出した。これによりスモールセコンドの配置に注意を向けるのではなく、視線を前後に移動させるような形でふたつの要素のあいだに絶妙な緊張感を与えている。


そして楔形のインデックス(大半の文字盤にロジウムメッキが施されている)はほとんどのブランドが採用するよりも少し長く、あるいは少し太く感じられる。これはスモールセコンドとのコントラストも要因としてあるかもしれない。このインデックスは視線を文字盤の中心に集め、うまくバランスを整えるのにひと役買っている。これは文字盤のデザインとしてただ数色を用意しただけではないことを示す巧妙な手法だ。

ケースはこれまでと大きく変わっていない。全体はステンレススティール(SS)製で直径は40.6mm、厚さは11.2mmとなっている。私の感覚だと、このような時計はもう少し厚くあるべきだと思う。この点ではやや優雅さに欠けており、ほか部分の塾考されたデザインとは噛み合っていないように見える。しかしケースはよくデザインされており、美しいシェイプ、ラグの繊細な面取り、ハイポリッシュ仕上げとサテン仕上げの組み合わせ、さらにはリューズ周辺のケースにはわずかな隆起まで施されている。リューズガードというには少しもの足りないが、デザイナーが少なくとも何か違うことをしようとしていたことを示し、デザイン全体にアクセントを加えている。

サファイアクリスタルのケースバックでムーブメントの技術を見せたいというカール F. ブヘラの意向は理解できるが、この時計の新しいデザイン言語はスポーティであり、30m防水という数字には首をかしげざるを得ない。この時計からはスポーツウォッチではないにしても、スポーティに使って欲しいというメッセージが読み取れる。それは文字盤とケースの比率によって実寸の40.6mmより大きく見えるせいかもしれないし、 ブランドが掲げるカラフルなラインナップのせいかもしれない。だが私は30m防水は失敗だと強く感じている。

よりスポーティな時計やドレッシーな時計が欲しい場合、カール F. ブヘラのラインナップにはほかにも選択肢があるのは確かだ。しかし、あと20mでも防水性が高ければ、この時計は同ブランドの隙間を埋めるほぼ完璧な選択肢になるだけに、この問題は悔やまれる。そしてマネロ ペリフェラルのなかでさえもこの時計がすべての役割を果たせるわけではないことは承知したうえで、可能な限りのものをカバーしていることをカール F. ブヘラがほのめかしているかのように思える。
 “タキシード・ツインズ(タキシードの双子)”と呼ぶことにした時計は、その一例だ。パンダ文字盤とリバースパンダ文字盤(ともに針とインデックスにローズゴールドを使用する)のこの2本は、2016年に発表されたマネロ ペリフェラルのドレッシーなバージョンを懐かしむ人々のために用意された答えのようである。SS製で、前回のローズゴールド製よりも手に取りやすい価格(ほかのモデル同様に税込119万9000円)であり、特にカフスに少し余裕のあるシャツを着ている人ならタキシードウォッチとしても使えるだろう。しかし私は、カール F. ブヘラがこの時計を必ずしも何かに偏ることのないバランスの取れた立ち位置に置いていることの表れだと考えた。

アイスクリームも一緒に食べられますよ、なーんてね!

僕が帆船やヨットに乗ったり、ボートを漕いだりするのにいちばん近い活動といえば、近所のジムでローイングマシンを使って1週間分のファーストフードのカロリーを消費することくらいです。では、ボートに乗らない僕が、なぜボートのスタートタイムを測ることに特化したレガッタタイマー付きの腕時計が好きなのでしょうか? それはティソ シデラルのように楽しくてカラフルな時計なら、それだけで楽しめるからです。
ティソ シデラル S(レッド)
僕が今回取り上げる新生シデラルは、実はティソが1969年に発表したオリジナルモデルの後継モデル(1971年登場)、シデラル Sの現代解釈モデルです。オリジナルモデルはグラスファイバー製でカラフルなケースでしたが、この新バージョンはカーボンとステンレススティール製のケースです。ケースは主にブラックですが、ダイヤルにはオリジナルモデルよりも多くのカラーが使われています。全体的にかなりニッチな外観ですが、腕時計の世界では、多くの色が使われることに抵抗はない人も多いのではないでしょうか。
色使いといえば、シデラルには3種類のカラーバリエーション(レッド、ブルー、イエロー)があり、いずれもダイヤルカラーに合わせたラバーストラップが付属します。この猛暑続きの夏には、3色ともよく似合うと思いますよ。シデラルの水上競技の出自に興味がなくても、この派手な色使いは身につけていて実に楽しいと思います。屋外での料理やプールパーティにこの時計をつけていく自分が目に浮かびますが、毎日つけたい場合もぜひ試してみてほしいですね。もちろん、押し付けませんよ。
ティソ シデラルの詳細については冒頭の解説動画をご覧ください。撮影ではこの時計でボートレースのタイムを測ることはありませんでしたが、この時計ですることになっているアイスクリームを楽しむ映像を差し込んでいます。え、冗談だって? では、ティソの広告をご覧ください。
このモデルのように、僕もシデラルを着用しながらアイスクリームを楽しみました。

ベル&ロス BR-03コレクションの新作“BR-03 GMT コンパス”が登場した。

世界限定500本【探検家仕様“GMT×コンパス”ツールウオッチ】ベル&ロスの人気モデル“BR-03”コレクション新機軸。

ツートーンベゼルと方位計目盛り付き文字盤によって方位を示すことが可能。コンパスの馴染み深いデザインとGMT機能の実用性を兼ね備えた、これまでにない革新的なモデルと言えるだろう。

Ref.BR0393-COM-ST/SRB。SS(42mmサイズ)。100m防水。自動巻き(Cal.BR-CAL.303)。世界限定500本。67万1000円

新作の“BR-03 GMT コンパス”は、ナビゲーション計器に着想を得て、ブランドの探求心をさらに深めた新機軸と言える数量限定モデルだ。

コンパスをモチーフとした文字盤、ツートン仕様の24時間表示ベゼルを備え、GMT機能を応用することで簡易方位計としても使用可能。

文字盤にはコンパスの針を模したダイヤモンド型のGMT針が装備され、24時間表記のベゼルと組み合わせることで第2時間帯を読み取ることができる。

【画像6枚】コンパス文字盤が存在感抜群、“BR-03 GMT コンパス”を別アングルから見る

“BR-03 GMT コンパス”のアイコンとなっている文字盤に施された方位計のモチーフは、単なる装飾でなく、実際のナビゲーション機能を備えている。晴れた日には、コンパスローズの目盛りと第2時間帯を示す24時間表示のGMT針を用いることで、方位を簡単に知ることが可能だ。

GMT針は、伝統的な磁気コンパスの針と同様にダイヤモンド型をしており、文字盤のフランジには、6時、12時、18時、24時の位置に東西南北の4方位が記されている。

太陽の位置を利用して方位を確認する場合は、時計を地面と平行に水平に保った状態で、まず、GMT針を太陽時に合わせる。

たとえば、夏のジュネーブでは太陽時は公式時刻より2時間遅れており、午後2時の公式時刻は太陽時では正午となる。次に、赤い針を太陽の方向に向けることで、文字盤の目盛りを使って方位を読み取ることが可能だ。

ムーヴメントは、54時間パワーリザーブの自動巻きキャリバー、BR-CAL.303を搭載。ラバーベルトまたはベルクロ式ベルトが選択可能で、世界限定500本。価格は67万1000円だ。

ユリス・ナルダンの最新作となる、ブラスト フリーホイール マルケトリが発表された。

本作のベースとなったフリーホイールは2018年に発表されたシリーズ(その後2021年にもバリエーションが登場している)。スケルトナイズされたダイヤルで、宙に浮いているかのようなトゥールビヨンやパワーリザーブインジケーターが動くのを視覚的に楽しむことができるモデルだ。これらのモーションは、革新的なボックスドーム型サファイヤクリスタルの採用により、ケースサイドからも見ることができる。

 本機は香箱や減速車、中間車やパワーリザーブディファレンシャル(差動装置)といった歯車がむき出しになったとてもユニークなモデルだが、特筆すべきはいずれも“くの字”の形を持つ、4時位置の7デイズパワーリザーブインジケーターと、6時位置のフライングトゥールビヨン機構だろう。
 パワーリザーブインジケーターは、弧を描く3本の帯の上にある三角マークが役割を果たし、パワーリザーブの残量が少ないときは、そのマークが1本の帯を指し示す。またフライングトゥールビヨンには、従来のスイス製レバー脱進機に取って代わる、ユリス・アンカー・コンスタント・エスケープメントを採用。これは金属や合成ルビーの代わりに、低摩擦性と柔軟性の作用を持つシリコンブレードを取り入れた、ユリス・ナルダンならではのものである(この機構は2015年のGPHGでトゥールビヨン部門賞を受賞している)。
 ここまではブラスト フリーホイール全体の特色についてお伝えしたが、本モデルを限定たらしめるのは、その宙に浮いているかのようなムーブメントの下と(12時位置の)香箱を華やかに飾る、“マルケトリ(寄木細工)”ダイヤルだ。


 103枚のシリシウム製ブルータイルから成る寄木細工は、時計でありながらまるで芸術作品かのような印象を与える。2種類の厚み(0.30mmと0.35mm)でつくりあげた寄木細工に、マット仕上げ(濃いブルーのほう)と鏡面仕上げ(薄いブルーのほう)を施し、さらにそれをミクロン単位で精緻にセットすることで、角度によって変容する反射とコントラストを生み出し、作品の立体感を際立たせる。
 これらの作業のもと、小さくて薄いシリシウムプレートを組み立てて1枚の文字盤を完成させるには、熟練の職人が膨大な時間をかけて作業に専念しなければならない。
 ブラスト フリーホイール マルケトリの裏にはマット仕上げのブルーシリシウムプレートが収められており、それを覆うサファイアクリスタル製シースルーバックからそのシリシウムが鑑賞できる。

ファースト・インプレッション

ユリス・ナルダンと聞いたらまず、ダイバーやマリーン(マリンクロノメーターがブランドのルーツ)といった、海と関わりの深い時計を思い浮かべるかもしれない(私はそうだった)。その点ブラストシリーズに属するのは、天文時計のムーンストラックやデュアルタイム、そして今回紹介したフリーホイール(トゥールビヨン)などであり、複雑機構をメインに展開しているように見受けられる。そのバリエーションは幅広くあって、ブランドが海にまつわる時計以外にも力を入れているのがわかる。
 ただ今日発表されたブラスト フリーホイール マルケトリは、海のように真っ青だ。この青い寄木細工の仕上げをマットと鏡面にわけているため、時計を動かすたびにまるで海面で揺らめく波が光を受けたようになるのだろう。ただ、私はまだ実機を見ていないため、これはあくまでも想像に過ぎない。加えてブルーのベルベット調防水ラバーストラップのオプションが用意されている。新作の防水性は30mなので海の中に持ち込むことはおろか、手を洗うときも少し気を付けなければいけないのに、ストラップまで防水性を意識しているのだ。
 私にはこの新しいブラストコレクションが、ダイバーやマリーンのいる海のほうへと歩み寄っているように感じてならない。もちろん、ブラストには既存のブルーダイヤルはたくさんある。けどこれは裏側までもが青いのだ。私はそう思ったが、みなさんの意見はどうだろう?
 ケース径は45mmと、既存のブラスト フリーホイールより1mm大きくなっているが、そのぶんこのマルケトリダイヤルを手首の上でたっぷりと堪能できると考えれば1mmの誤差は気にならないだろう。私は、芸術的なタイムピースは大きければ大きいほうがいいという考えだ。
 まあこのマルケトリが実際どれほど綺麗な輝きを放つのか、実物を見てみなければわからないので、今度機会があれば拝見したい。

基本情報

ブランド: ユリス・ナルダン(Ulysse Nardin)
モデル名: ブラスト フリーホイール マルケトリ(Blast Free Wheel Marquetry)
型番: 1760-401-3A/3A

直径: 45mm
厚さ: 12.04mm
ケース素材: ホワイトゴールド製ブラストケース(ウルトラボックスドーム型サファイアガラス)
文字盤: メティエダール(ブルーのマット&鏡面仕上げのシリシウム製マルケトリ)
夜光: 針にスーパールミノバ
防水性能: 30m
ストラップ/ブレスレット: ブルーのベルベット調防水ラバーストラップ

ムーブメント情報
キャリバー: UN-176
機能: 時・分、パワーリザーブインジケーター、フライングトゥールビヨン
直径: 37mm
厚み: 6.95mm
パワーリザーブ: 約7日間
巻き上げ方式: 手巻き
振動数: 1万8000振動/時
石数: 23
追加情報: ユリス・アンカー・コンスタント・エスケープメント搭載

価格 & 発売時期
価格: 税込で1916万2000円(2023年9月からの新価格)

シチズンは、レディースウオッチブランド“CITIZEN x C(シチズン クロスシー)”から限定モデルを発売する。

光発電エコ・ドライブ搭載【“シチズン クロスシー”数量限定モデル】満開のカメリアを文字盤で表現。

シチズン クロスシー
hikari collection エコ・ドライブ電波時計 ティタニア ハッピーフライト 限定モデル

本作は、艶やかな白蝶貝の文字盤には、満開のカメリアをイメージした繊細なエッチングパターンを施し、花びらの上に光が宿るようなドットパターンが特徴。文字盤にはラボグロウン・ダイヤモンドを5ポイントあしらうほか、外周にピンクのグラデーションをプラスした。

ケースとバンドには、軽量かつ肌に優しいスーパーチタニウムを採用し、その表面にはシチズン独自のサクラピンク®のデュラテクト加工を施す。これにより、ステンレスの約5倍の硬度を誇る耐傷性を備えながらも、デザイン面では柔らかく温かみのある色合いを実現。さらに、ケース径27mm、厚み8.2mmと軽やかなサイズ感なので、腕元に自然となじんでくれる。

また、搭載ムーヴメントは、光発電エコ・ドライブ電波時計のキャリバー“H060”。フル充電時には約3年間の駆動が可能で、日本やヨーロッパなど世界4エリアで標準電波を受信。正確な時刻に自動修正する。

さらに、ワールドタイム機能や永久カレンダー、サマータイム設定など、多彩な機能を搭載し、旅行やビジネスシーンにも対応する。

このほか、5気圧防水や夜光針、1種耐磁時計など、デザイン面のみならず日常使いに求められる実用性も充実している。なお、販売価格は14万8500円。世界限定1300本となる。

腕時計を売るならどこがいい?

腕時計を手放すとき、「どこで売れば一番高く買い取ってもらえるのか」「信頼できる業者はどこか」と悩む人は少なくありません。

買取業者には大手チェーンから専門店までさまざまなタイプがあり、得意とするブランドや査定基準も異なります。さらに、店頭・宅配といった売却方法の選び方によっても、利便性や査定額に差が出るのが実情です。

この記事では、腕時計を売る際の業者選びのポイントや、高く売るためのコツをわかりやすく解説します。初めての人でも安心して取引できるよう、実際のステップを具体的に紹介するので、ぜひ参考にしてください。

【業者比較】腕時計を売るならどこがいい?

腕時計の買取先には、大手チェーン店やブランド時計専門店、質屋、リサイクルショップなどさまざまな選択肢があります。どこを利用するかによって、買取価格はもちろん、安心感や利便性にも大きな違いが生まれます。そのため、自分の目的に合った業者を見極めて選ぶことが大切です。

大手買取チェーン
大手買取チェーンは、駅前や商業施設に店舗を構え、アクセスのよさがメリットです。全国展開しているため地域を問わず利用しやすく、接客やサービス体制も安定しています。

また、ブランドを問わず幅広い時計を取り扱っており、知名度の高さから安心感を得られる点も特徴です。査定システムが統一されているため、店舗ごとに大きな価格差が出にくいのも利点といえるでしょう。

一方で、時計以外の商品も幅広く扱っているため、高級時計に関しては専門性が十分とはいえない場合があります。その結果、市場相場より低めの査定額になるケースも少なくありません。特にロレックスやオメガなどの高級ブランドを手放す際は、専門店と比較しながら検討するのがおすすめです。

ブランド時計専門店
ロレックスやオメガ、パテックフィリップといった高級時計に特化した買取業者は、市場の動向に精通し、国内外の相場を常にチェックしているのが大きな強みです。市場価格を反映した適正な査定に加え、在庫状況や需要を踏まえた柔軟な価格提示が期待できます。

希少モデルやアンティーク品に対しても、専門知識と豊富なノウハウを活かして正しく評価してくれる点は大きな魅力でしょう。

ただし、取り扱いブランドが限定されている場合もあり、カジュアルブランドやファッション時計は買取対象外となったり、査定額が低めに設定されることもあります。高級時計を売却する人にとっては最適な選択肢ですが、ブランドやモデルによっては他の業者との比較も必要です。

質屋
昔ながらの方法として親しまれている質屋は、地域に根ざした営業を続けてきた信頼性の高さが大きな魅力です。その場で現金化できるため、急に資金が必要なときにも頼りになります。

長年の営業実績から安心感があり、親身に相談に応じてくれるケースも多いでしょう。さらに、「質預かり」という仕組みがあるため、売却を迷っている場合でも一時的に時計を預けるという選択が可能です。

一方で、再販ルートが限られていることから、買取価格は高級時計専門店に比べて低めになる傾向があります。特に海外で人気の高いブランドの場合、国内販売が中心となるため、査定額が相場より下がってしまうことも少なくありません。

リサイクルショップ
リサイクルショップは、時計だけでなくさまざまなアイテムをまとめて売却できるのが特徴です。引っ越しや片付けのタイミングで時計と不用品を一度に処分したいときには、非常に便利な選択肢といえます。

ノーブランド品や状態の悪い時計でも引き取ってもらえることが多く、他の業者で断られた時計が買取対象となるケースもあります。さらに、店舗数が多く気軽に利用しやすい点もメリットです。

ただし、時計査定の専門知識を持つスタッフが常にいるとは限らず、正確な評価が受けられない可能性があります。特にブランド時計に関しては価値を見極めてもらえず、相場よりもかなり低い価格での買取になることも少なくありません。

【方法比較】腕時計を売るならどこがいい?
腕時計の売却方法には、店頭買取・宅配買取・出張買取・下取り・個人売買など、いくつもの選択肢があります。それぞれ利点と注意点が異なるため、自分の状況や目的に合った方法を選ぶことが大切です。

店頭買取
店頭買取は、店舗に時計を持ち込み、その場で査定・買取をしてもらう最も一般的な方法です。査定員と直接やり取りできるため、査定内容の説明を詳しく聞けるうえ、疑問点もすぐに解消できます。

即日で現金化でき、査定から入金までがスピーディーに完了するのも大きな魅力です。時計の状態を実際に確認してもらえるので、適正な査定額を得やすく、安心感も高まります。

ただし、近隣に適切な買取店がなければ利用しにくいというデメリットがあります。さらに、複数の業者を比較したい場合は、各店舗を回る必要があり、時間と手間がかかる点も考慮が必要です。

宅配買取
宅配買取は、時計を梱包して発送し、業者に査定してもらう方法です。地方に住んでいても全国の買取店を利用でき、複数業者にまとめて査定を依頼しやすいのが大きなメリットです。

自宅から手続きが完結するため移動の手間がなく、忙しい人にも向いています。さらに、多くの業者が無料の宅配キットを用意しているので、梱包材を自分で準備する必要もありません。

一方で、査定から入金まで数日かかることがあるため、すぐに現金化したい場合には不向きかもしれません。加えて、配送中の紛失リスクや、実物を見ないまま業者を選ぶ必要がある点には注意が必要です。

出張買取
出張買取は、査定員が自宅や指定の場所まで訪問してくれる方法です。重い時計や複数本をまとめて売りたいときに便利で、店舗まで持ち込む手間がかかりません。

対面で査定を受けられるため安心感があり、その場で査定内容の説明を聞けるのも利点です。業者によっては即日現金化に対応しているところもあり、利便性と安心感を兼ね備えた方法といえるでしょう。

一方で、対応エリアは都市部が中心となることが多く、地方では利用できない場合があります。さらに、出張費が査定額に影響するケースや、自宅に業者を招き入れる必要がある点は考慮しておくべきです。

下取り
時計販売店で新しい時計を購入する際に、現在所有している時計を下取りに出す方法もあります。買い替えの手続きが一度で完結し、購入代金から下取り額を差し引いてもらえるため、非常にスムーズに進められます。

また、販売店との継続的な関係を築ける点もメリットで、アフターサービスや将来の買い替え時に優遇を受けられる可能性があります。

ただし、下取り額は単独で売却した場合の買取価格より低くなるケースが多いのが現実です。時計の価値を少しでも高く活かしたいなら、まずは買取専門店で査定を受け、下取りと比較して判断するのが賢明でしょう。

個人売買(フリマアプリ・オークション)
個人売買は、メルカリやヤフオクといったプラットフォームを利用し、個人間で直接取引を行う方法です。中間業者を通さないため、タイミングによっては買取業者より高値で売れることもあります。

自分で価格を設定できるほか、商品説明や写真を工夫すれば、時計の魅力をしっかり伝えられる点もメリットです。売却のタイミングを自由にコントロールできるのも大きな利点といえるでしょう。

一方で、偽物を疑われるリスクや購入者とのトラブル、発送作業など、手間や責任が多く発生します。さらに、販売手数料や送料を差し引くと、実際の手取り額が期待より少なくなるケースもあります。時計に関する知識や取引経験が十分でない場合は、リスクの高い方法と考えておくべきです。

ブランド時計を売却するなら日本時計堂がおすすめ

ブランド時計の売却を検討している場合は、日本時計堂の利用を検討してみるとよいでしょう。日本時計堂は、豊富な知識・経験を持つ専属のコンシェルジュ(担当者)が高価買取をサポートするサービスです。

日本国内だけでなく海外のバイヤーを含む複数の業者が競い合い、一番高額な業者を紹介します。また、コンシェルジュが適正な相場をもとに、査定プロセスや選ばれた業者との価格交渉を代行するため、利用者は安心してサービスを利用できます。

やり取りはLINEだけで完結するため、時間や場所を問わず買取依頼が可能です。忙しい人や店舗まで足を運ぶのが難しい人にとって便利なサービスといえます。また、「いつ売るべきか」という最適な売却タイミングもアドバイスを受けられるため、相場の変動を考慮した売却時期の判断もサポートしてもらえます。

最短即日で査定結果の通知があり、売却決定後は迅速な入金対応も行っています。豊富な買取実績を持つサービスのため、腕時計の売却を検討している人は気軽に問い合わせしてみるとよいでしょう。

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腕時計の買取業者や売却方法を選ぶ際の判断基準
腕時計を売却する際に失敗しないためには、「どこで売るか」を冷静に見極めることが欠かせません。ここでは、買取業者や売却方法を選ぶ際に押さえておきたいチェックポイントを整理して紹介します。

買取価格の妥当性
判断基準の中でも特に重要なのが、提示された買取価格が相場と比べて適正かどうかです。同じブランドやモデルでも、業者によって数万円の差が出ることは珍しくありません。

複数の業者に査定を依頼して比較すれば、おおよその相場感を掴めるでしょう。特に高級ブランドの腕時計は、大手チェーンよりも専門店のほうが高値を提示するケースが多いため、必ず専門店での査定も受けておくと安心です。

ただし、相場とかけ離れた高額査定を提示する業者には注意が必要です。契約直前に減額されるリスクもあるため、査定額の根拠をしっかり説明してもらえるかを確認することが大切です。

信頼性・安心感
高額な商品である時計を扱う以上、業者の信頼性は欠かせない判断基準です。まず確認すべきは、古物営業許可を正式に取得しているかどうかです。この許可を持たずに中古品を売買することは法律で禁止されています。

加えて、長年の営業実績や利用者の口コミ・評判も参考になります。特に高級時計を売却する際には、すり替え防止や査定過程の透明性が確保されているかどうかをしっかり確認することが重要です。

店舗を構えている業者なら、実際に足を運んで雰囲気を確かめてみるのも有効です。清潔感のある環境で、スタッフが誠実かつ丁寧に対応してくれる業者を選べば、安心して取引ができるでしょう。

利便性
自分のライフスタイルや状況に合った買取方法を選ぶことで、売却はよりスムーズに進められます。例えば、すぐに現金化したいなら店頭買取や出張買取が便利で、地方から依頼する場合は宅配買取が適しています。仕事が忙しくて店舗に足を運べない人には、宅配キットを無料で提供している業者が使いやすいでしょう。

さらに、査定結果に納得できなかったときのキャンセル対応や、返送時のサポート体制も事前に確認しておくと安心です。

手数料・コスト
査定料・キャンセル料・返送料といった手数料が無料かどうかも、重要な判断基準の1つです。査定額が高くても、手数料を差し引いた結果、手取り額が想定より少なくなるケースは少なくありません。

特に宅配買取では、送料や宅配キット代、キャンセル時の返送料などを事前に確認しておく必要があります。さらに、フリマアプリやオークションサイトを利用する場合は、販売手数料や決済手数料も含めて計算しておくことが大切です。

信頼できる業者は、公式サイトに手数料体系をわかりやすく明記しているものです。情報の透明性も、安心して取引できるかどうかを見極める判断材料となります。

査定・入金のスピード
売却の緊急度によっては、査定から入金までのスピードも大切な判断基準となります。店頭買取や出張買取であれば即日現金化が可能で、急な出費にも対応できます。

一方、宅配買取は発送から査定、入金まで数日を要しますが、自宅にいながら手続きできる利便性があります。業者ごとに処理の早さが異なるため、急いでいる場合は対応スピードに強みを持つ業者を選ぶと安心です。

ただし、スピードばかりを優先すると、相場より安い価格で売却してしまう可能性もあります。価格とスピードのバランスを見極めながら選ぶことが大切です。

取り扱いブランド・商品の幅
売却したい時計のブランドや状態に対応している業者を選ぶことも欠かせません。ロレックスやオメガといった高級時計は、専門知識を持つ業者に依頼した方が、より適正な査定を受けられます。

一方で、ノーブランド品や動かない時計、付属品がそろっていない時計であれば、幅広い商品を扱う大手チェーンの方が対応してくれる可能性が高いでしょう。そのため、事前に業者の公式サイトで取り扱いブランドや買取条件を確認し、自分の時計が対象になっているかを確認しておくことが重要です。

このセレブレーションを皆で祝うために、セイコーは11もの限定モデルを発表した。

ローレルは、セイコーが製造した国産初の腕時計として1913年に発売。それ以前の日本の時計市場は、主に輸入品に依存していましたが、セイコーローレルの登場によって、国産時計の新たな歴史が始まりました。

誕生から100年を超えるローレルは、色褪せないホワイトの琺瑯ダイヤルに12時位置の赤いアラビア数字のインデックスとブルーの針が特徴的なモデルでした。

この時計の発売を皮切りに国内外での評価を高め、今日の国際的なブランドへと成長していったことを考えると日本の時計産業の発展において、非常に重要な役割を果たしたひとつのマイルストーン的な腕時計と言っても過言ではありません。
今年はそのローレル誕生から110周年を迎える年ということもあり、これを盛大に祝うべく、セイコーは合わせて6ブランド、11もの限定モデルを発表しました。 

セイコー プレザージュ、セイコー プロスペックス、セイコー アストロン、セイコー 5スポーツ、セイコー ルキア、セイコーセレクションと幅広いブランドにまたがって展開され、時計もクラシックなデザインのものから、スポーティなモデル、そして先端技術を用いるモデルまでさまざま。税込価格も3万6300円から22万円までの幅があるため、気に入る1本が見つかるでしょう。

セイコー プレザージュ
クラフツマンシップシリーズ SARW071

11モデルのうちの最初の1本は、セイコー プレザージュ クラフツマンシップシリーズのSARW071です。プレザージュは、日本の伝統技術に根ざした素材やデザインを融合した製品を展開しているブランドで、なかでもクラフツマンシップシリーズは特に職人技にこだわったシリーズ。

ダイヤルには初代「ローレル」と同じく、琺瑯が採用されています。琺瑯職人の横澤 満氏の監修のもと、焼き上げられています。デザインは今回の限定リリースのうち最もローレルに近い意匠が多く盛り込まれたモデルのひとつです。
セイコー プレザージュ クラフツマンシップシリーズ SARW071
ケースサイズ: 直径 40.2mm × 厚さ12.8mm
ケース素材: ステンレススティール(ダイヤシールド)
ムーブメント: 自動巻きCal.6R27
限定: 世界限定1500本、うち国内300本
価格: 16万5000円

Sharp Edged Series SARX113

Sharp Edged Seriesは、2020年にプレザージュに登場した新シリーズです。鏡面仕上げと繊細なサテン仕上げの組み合わせによるエッジの立った立体的なケースが特徴的なモデル。

麻の葉紋様と呼ばれる正六角形を基本とした日本の伝統的な幾何学紋様が立体的にダイヤルに表現されています。通常ラインにすでに白練(しろねり)と呼ばれる白文字盤のモデルがありますが、こちらはホワイトのグラデーションカラーです。12時位置のミニッツトラックの赤とブルーの秒針がさり気なくローレルを連想させます。
セイコー プレザージュ Sharp Edged Series SARX113
ケースサイズ: 直径40.2mm × 厚さ13.0mm
ケース素材: ステンレススティール(ダイヤシールド)
ムーブメント: 自動巻きCal.6R55
限定: 世界限定2000本、うち国内300本
価格: 14万3000円(税込)

プレザージュブランド最後のモデルは、1960年代のヴィンテージ感を表現したStyle60'sから登場したGMTウォッチです。もともとセイコー初のクロノグラフウォッチ、クラウン クロノグラフのディテールが取り入れられたモデルですが、ケース、ベゼル、ダイヤルがトーンオントーンにまとめられており、オリジナルの面影はほとんどありません。ダイヤルと針のコントラストが高く青がとても映えます。夜光はクリーム色のフォティーナですが、どこか少しモダンな雰囲気があります。なお、GMTは針を単独で動かすコーラーGMT仕様です。
セイコー プレザージュ Style60's SARY233
ケースサイズ: 直径40.8mm × 厚さ13.0mm
ケース素材: ステンレススティール
ムーブメント: Cal.4R34
限定: 世界限定3500本、うち国内300本
価格: 8万4700円(税込)

セイコー プロスペックス
スピードタイマー SBER009

スピードタイマー ソーラークロノグラフ1/100秒計測は、デザインと機能性のふたつの点で際立ったモデルです。4つのインダイヤルと3つのプッシャーとリューズを備えた一風変わったデザイン、そして100分の1秒単位で経過時間を計測できる精密なストップウォッチ機能を備えています。時刻表示と積算表示を完全に独立させたレイアウトは視認性を高めるためのもの。ローレルの要素は、赤いカラーリングをストップウォッチ針に採用されています。スピードタイマー ソーラークロノグラフ1/100秒計測としては、初めてレザーストラップが付属します。
セイコー プロスペックス スピードタイマー SBER009
ケースサイズ: 直径42.0mm × 厚さ12.9mm
ケース素材: ステンレススティール
ムーブメント: ソーラークロノグラフムーブメント Cal.8A50
限定: 世界限定3500本、うち国内500本
価格: 13万7500円(税込)

アルピニスト SBEJ017

1959年当時、人々の身近なレジャーといえば登山やハイキングでした。そういったアクティブなシーンに似合う時計として誕生したのがローレル アルピニスト。1995年に発表された「緑のアルピニスト」で知られるモデルのデザインが現在のコレクションにまで受け継がれています。

国産腕時計110周年記念モデルとして登場したアルピニスト SBEJ017は、同モデル史上初めてGMT機能が搭載されました。内部で駆動するのは、約72時間のロングパワーリザーブとGMT機能を備えたCal.6R54。

セイコーのプレスリリースによると『簡易方位計つき内転リングの赤いマークは、太陽の向きと時針や24時針をもとに方角を知る際、北の方角を示すと同時に、初代「ローレル」の意匠に繋がっている』とありますが、アルピニストのなかでもカルト的人気を誇るアイボリーダイヤルに赤い三角マークを備えた、レッドアルピニストの相性で親しまれるモデルにより近い印象です。
セイコー プロスペックス アルピニスト SBEJ017
ケースサイズ: 直径39.5mm × 厚さ13.6mm
ケース素材: ステンレススティール(ダイヤシールド)
ムーブメント: 自動巻きCal.6R54
限定: 世界限定3000本、うち国内300本
価格: 18万1500円(税込)

ベンラス クラシックでいてモダンなウルトラディープが登場

比較的無名な、しかしクールなヴィンテージモデルのリメイクが好きな人のために、スーパーコンプレッサーケースを持つベンラス ウルトラディープを紹介しよう。そして新しい(見た目は古い)時計のために、ベンラスはオリジナルを再現するべく多大な努力をした。

 1960年にスキューバダイビングが本格的に普及し始めた頃、アメリカのベンラス社(米軍に頻繁に腕時計を提供していた)は活動を開始した。コレクターにとって名機とされたもののひとつがコンプレッサーケースを持つウルトラディープだった。ほかの優れたコンプレッサーケースがそうであるように、時計のケースも深く潜るにつれて圧迫されていき、防水性は約600フィート(約200m)にまで強化された。また、インナー回転ベゼルを採用したことでよりスッキリとしたルックスになるだけでなく、誤ってベゼルを回転させてしまうことも防いだ。
 そのデザインがオリジナルと同じ36.5mmサイズで、今回はソプロード製のP024ムーブメントを搭載して復活した。さらにこのスタイルを象徴する日付拡大窓、カテドラル針、アクリル製クリスタルを装備。またオリジナル同様、20気圧に耐えられるようにテストもされている。ブランドによると、新しいこの技術と公差により深度を維持するために、現代的なねじ込み式リューズとスーパールミノバを採用したという。


 新しいベンラス ウルトラディープは、ベンラスの公式ウェブサイトにて1095ドル(日本円で約16万2000円)で入手できる。

我々の考え
これはスーパーコンプレッサーそのもののように見える。おわかりいただけるだろうか? スーパーコンプレッサーだ。

 ニューヨークにある結束の固いウォッチコミュニティにいることで得られる素晴らしいことのひとつは、クールな時計を先行して見られることだ。場合によってはNDA(秘密保持契約)にサインしたり、将来ファーストモデルになりそうなものなど、なんやかんやあったりするが、そうして手に入れたものはすでに市場に出回っているものとはわずかに異なる文字盤カラーだったりもする。しかしときには、薄暗いバーで誰かがポケットから時計を取り出して、“かっこいいのを見たいか?”となることもある。そのようにして私は最初にウルトラディープを見たのだが、暗い店内で見た限りでは、その期待は裏切られなかった。
 実際この数カ月で多くの人がこの時計を見たようで、シカゴで開催されたWindup Watch Fairの最中に、何人かの同僚の手首に巻かれてミシガン湖のダイビング旅行へ携行されたようだ。これは厳重に守られた秘密ではないという事実であるが、クラシックなスーパーコンプレッサーを忠実に再現しながらも現代的な方法でまとめた、非常に優れた作品の魅力を損なうものではない。

 厚さ13.8mm、直径36.5mmと、厚ぼったくなるのではと思うかもしれないが、ブランドの担当者からは再現性を高めるために1mm単位で格闘したのだと話を聞いている。カテドラルスタイルの時・分針と日付表示窓は素晴らしいタッチだが、フェイクヴィンテージの手法に傾倒しようとしすぎているようには1度も感じなかった。時代に合わせて設計を変更し、真のコンプレッサーケースでなくなってしまったのは少し残念だが、おそらくそれよりも優れ、信頼性も高くなっている。全体的に見るとバランスの取れた素晴らしい時計であり、価格も手頃である。

基本情報
ブランド: ベンラス(Benrus)
モデル名: ウルトラディープ(Ultra-Deep)

直径: 36.5mm(リューズを含まず)
厚さ: 13.8mm
ラグからラグまで: 41.5mm
ケース素材: 316L製ステンレススティール/ねじ込み式リューズ
文字盤: ブラック
夜光: インデックス、針、ベゼルにC3スーパールミノバ
防水性能: 200m
ストラップ/ブレスレット: ステンレススティール製ジュビリースタイルクイックリリースブレスレット、ブルーナイロン製NATOダイバーストラップ付属


ムーブメント情報
キャリバー: ソプロード製P024
機能: 時・分・センターセコンド、クイックセットデイト(日付を単独で調整できる機能)
パワーリザーブ: 約38時間
巻き上げ方式: 自動巻き
追加情報: アクリル製ダブルドームクリスタル、日付拡大窓、ふたつ目のリューズで作動する60分の回転インナーベゼル

価格 & 発売時期
価格: 1095ドル(日本円で約16万2000円)

ファブリックストラップとメタルブレスレットの境界をつなぐ、新たな発明だ。

ミンは、製造技術の限界を押し広げることにかけては、もはやおなじみの存在である。いまやこのブランドは、まるでラボそのもののように感じられ、消費者向けの製品自体が実験材料となっている。今年だけでも、アイリスや20.01シリーズ5といったモデルで、ダイヤル製造における数多くの実験が行われてきた。近年では、独自の白色夜光ルミノバを開発したほか、驚異的な超軽量モデル、そしてサファイア素材の多様な活用にも挑戦している。


ミンはまさに常識外れともいえる新作を発表した。しかもそれは時計ではない。おそらく世界初となる、3Dプリントによるチタン製ブレスレットとストラップのハイブリッドだ。これは金属工芸の極致ともいえる驚異的な作品であり、1693個もの独立したリンクとパーツで構成されているが、ピンもネジも一切使わずに連結されている。チタン製のピンバックルも同様に3Dプリントでつくられ、ブレスレットに装着されたクイックリリース式のバネ棒を除けば、組み立てを必要としない完全一体構造となっている。

ミンはこのプロジェクトにおけるサプライヤーとの協業について非常に透明性を高くしており、今回の興味深い取り組みに関してはイタリアのSisma S.p.AとスイスのProMotion SAの名を挙げている。グレード5のチタンはもともと加工がきわめて難しい素材だが、それを粉末状にして3Dプリントするとなれば、さらに困難を極めることは想像に難くない。それにはミンも同意しており、3Dプリントに用いる粉末チタンは不活性ガス環境下で製造しなければ非常に爆発しやすいと指摘している。
ブランドによれば、この製造プロセスでは数百層にもおよぶ焼結工程が行われるという。成形後には層のラインや表面の不均一を除去するための仕上げ加工が必要であり、そのすべてが滑らかに可動するように仕上げられる。最終的な製品では、各パーツ間の隙間はわずか70ミクロンという極めて高い精度で仕上げられており、すべてのパーツが完璧に連動することで、金属の布のようなしなやかなドレープを実現している。
グレード5チタン製のミン ポリメッシュの価格は1500スイスフラン(日本円で約28万5000円)で、ミンおよび正規販売店を通じて販売される。現在は20mmサイズのみの展開だが、22mmサイズの開発も進められている。

我々の考え
3Dプリント技術は、一般消費者向けの時計製造において新たな成熟期を迎えつつあるように感じる(今年のチタン製Apple Watchのケースはすべて3Dプリントでつくられているが、その痕跡を示すような視覚的な手がかりは一切ない)。そして今回の例は、アディティブマニュファクチャリング(積層造形)が、奇抜なケース形状やスケルトンラグをつくるためではなく、まったく異なるアプローチで時計業界に応用されていることを示す好例である。

Geneva Watch Daysの期間中に、実物のブレスレットプロトタイプを目にした同僚のアンディ(・ホフマン)に話を聞いたところ、彼は“実物はまったく異次元の存在だった”と語っていた。チタンでありながら布のようにしなやかに垂れ、手首に巻くと信じられないほど軽いという。その点において、ミンはまさにミッションを達成したと言えるだろう。
見た目の洗練さという点では、最も完成された印象とは言いがたいかもしれない。表面のざらついた質感がやや未仕上げのように感じられ、3Dプリントであることを示す決定的な手がかりにもなっている。それでも、今後登場予定のステンレススティール製バージョンがどのような仕上がりになるのか、非常に気になるところだ。これは本当にクールで、しかも純粋に新しい試みであり、さらなる展開が楽しみでならない。

価格&発売時期
価格: 1500スイスフラン(日本円で約28万円)

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2025/11/10 from 承認待ち
Re:拒絶することができない高顔値オメガのセイウチのシリーズの300メートルの潜む水道のメーターの007版
2025/11/10 from 承認待ち
Re:拒絶することができない高顔値オメガのセイウチのシリーズの300メートルの潜む水道のメーターの007版
2025/11/10 from 承認待ち
Re:拒絶することができない高顔値オメガのセイウチのシリーズの300メートルの潜む水道のメーターの007版
2025/11/10 from 承認待ち
Re:拒絶することができない高顔値オメガのセイウチのシリーズの300メートルの潜む水道のメーターの007版
2025/11/09 from 承認待ち
Re:拒絶することができない高顔値オメガのセイウチのシリーズの300メートルの潜む水道のメーターの007版
2025/11/09 from 承認待ち
Re:拒絶することができない高顔値オメガのセイウチのシリーズの300メートルの潜む水道のメーターの007版
2025/11/09 from 承認待ち
Re:拒絶することができない高顔値オメガのセイウチのシリーズの300メートルの潜む水道のメーターの007版
2025/11/09 from 承認待ち
Re:ブレゲTradition後の世まで伝わるシリーズの7097が自動的に逆で秒針の腕時計を跳びます
2025/11/09 from 承認待ち
Re:ブレゲTradition後の世まで伝わるシリーズの7097が自動的に逆で秒針の腕時計を跳びます
2025/11/08 from 承認待ち
Re:拒絶することができない高顔値オメガのセイウチのシリーズの300メートルの潜む水道のメーターの007版

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