エントリー

タグ・ホイヤー モナコ クロノグラフ スケルトンのさりげない魅力

モナコ市で開催されるモナコF1グランプリで、タグ・ホイヤーのモナコを身につける。


モータースポーツを(少しは)評価するという新しい時代を迎えようとしている。というのも生活のために時計の記事を書いている人間は、いつかクルマの話をしなければならない可能性があるからだ。自分の強みはわかっているし、何にでも興味を持つふりをするのは得意ではない。だから、タグ・ホイヤーのモナコを着用して、モナコで開催されたF1を観戦したことは、この10年間で一番楽しかったかもしれないという私の気持ちを、どうか信じてほしい。


タグ・ホイヤーは、2011年からモナコGPのオフィシャルウォッチパートナーを務めるほか、2016年からはF1チームであるオラクル・レッドブル・レーシングのパートナーもしている。タグ・ホイヤー(ルビ:ヴィンテージ・ホイヤー)は、間違いなくモータースポーツウォッチとクロスオーバーしたい愛好家のためのブランドである。

タグ・ホイヤーのモナコウォッチは、その誕生以来、いや、実際にはスティーブ・マックイーンがル・マンで着用して以来、“時計愛好家が選ぶアイコニックな時計”の定番となっている。ル・マンのスティーブ・マックイーンに夢中になっていた私でさえそう感じている。

モナコは決して簡単に線引きできるモデルではない。正方形で、大きく、少し派手な面があり(これは否定ではなく、大胆なデザインこそが美学の進化を衰えさせないのだ)、そして現在、この新しいオープンワークという文字盤デザインで、より視認性の高い先代モデルよりもさらに存在感を示している。

厳密には、実はタグ・ホイヤーがスケルトン仕様のモナコを製作したのはこれが初めてではない。

私が選んだスケルトンクロノグラフは、ブラックDLCのサンドブラスト仕上げのダイヤルと、同じくブラックDLCサンドブラストを施したチタンにターコイズのアクセントを加えたもの。この時計は私が普段買うような時計であると見栄を張るつもりはない。本当のことを言うと、角型の黒いオープンワークなんて私の琴線からはほど遠い場所にあるように思うだろう。でも何度でも話すが、私は変わったデザインと、リシャール・ミルに好意を抱いているので、自分自身と時計に身を任せて楽しんでいるに過ぎない。

39mmのケースは、(化粧品ブランドの)メイベリンがマスカラの最も濃い色を“ブラッケスト ブラック”と呼ぶような真のブラックで、さらに針、インデックス、日付表示窓にはスーパールミノバを塗布。ブラックとターコイズブルーのカラーリングが非常にクールで、スケルトナイズによってタグが目指している近未来的な雰囲気をさらに高めている。この時計の文字盤ではいろんなことが起きているが、配色されたサブダイヤルや針のコントラストは、不思議なほどにすべてを見やすくしている。右側のケースサイドにDLCブラックコーティングのリューズとプッシャーを備えたモダンなモナコは、ケーシングが非常に滑らかでコンパクトにも感じるし、若干カオスな内部にある種穏やかな境界線を与えているとも感じる。

オープンケースバックからは、合金製のレーシング・ホイールを模したローターが付いたムーブメントが鑑賞できる。そして従来のレザーに必要なアップデートが施された、ラバーとレザーのハイブリッドストラップを採用している。

新しいモナコ クロノグラフは、シースルーバックから覗くCal.ホイヤー02 自動巻きムーブメントを搭載し、約80時間のパワーリザーブと100mの防水性を確保。141万3500円(税込)の価格で提供される。

今回のモナコ・イン・モナコは、本当につけ心地がよく、なぜか私の手首にしっくりとなじんだ。いつもブレスレットで覆われている私の右腕と対をなすにふさわしい。私のワードローブのスローガンである“more-is-more(多ければ多いほどいい)”にぴったりだ。

モナコでモナコをつけることは、まるで秘密結社の一員になるような感覚だ。実際、切り札を手にしたようなものである。なぜならモナコGPで繰り広げられる本物の狂気と優雅なお祭りは、凡人の選択肢に入らないからだ。ロロピアーナを着用してチップは100ドル札のみ用意している味方がいない限り、これはクローズドサーキットでのイベントに過ぎない。

だが私は傍観者の立場であること以上に楽しいことはない。動物学者のジェーン・グドール(Jane Goodall)が野生の動物を観察するように、私もモナコに実際に赴いて、サーキットやパドック、そしてジミーズ(知っている人は知っている)で実際に何が起こっているのかを見に行った。ボートで泊まったまま練習用のラップ音で目を覚ますような環境、かつマックス・フェルスタッペン(Max Verstappen)から数メートルしか離れていないことを知ったら、イエス以外の選択肢はないだろう?

1日目は、真っ黒なDLCコーティングをした四角いモナコを装着していた。ちなみにこれは時間が経つにつれてとても気に入ってしまった。最初はケース形状に違和感を覚えたが、やがて目が慣れてきて、最終的には地中海フューチャリズムを感じさせるターコイズブルーのアクセントが効いた黒い四角形が好きになりそうになった。非常に狭く、急な曲がり角が多い、地球上で最も過酷なサーキットとして知られるコースを、ホット・ラップ(F1ドライバーが運転するその隣に乗ることができる体験)で周った。その日の朝、私は朝食を食べるという非常に重大なミスを犯した。

吐き気を催す前の私に割り当てられた2023年型ポルシェ911 GT3 RSに、私は無邪気にも乗り込み、比較的中年でとても純真そうなフランス人のコ・パイロットの隣でシートベルトを締めた。この紳士は物理的に可能だと思っていたよりも速いスピードで運転してくれた。そのとき、私がいかに世間知らずであったかを思い知らされた。なんて街の見せ方だ! それが実際に楽しいかどうかの目印は、スマートフォンでビデオを撮らないことである。だから証拠はないが、当時のスリルと強く握りしめた白い拳の記憶はずっと残っている。

ガタガタと手足が浮きながらも予選の様子を見たり、人々のボートにテンダーを運んだり、シャンパンを飲んだりと、その日の活動を進めた。もちろん、すべてはリサーチの名の下に行ったことだ。

そして、タグ・ホイヤーのサタデーナイト・ソワレが始まった。巨大なタグ・ホイヤーの風船、汗だくの人々の顔に光が反射するなど、夢のようなダンスフロアでカイリー・ミノーグ(Kylie Minogue)のパフォーマンスを見たり、またモナコをつけたコナー・マクレガー(Connor Mcgreggor)が予告なしにボートに現れるなどメンタルの準備ができない場面もあった。母のために(カイリーの)ビデオも撮った。

レースの日は予想以上に早くやってきた。それも、私が地球上で最も好きなナイトクラブである、前述したジミーズでの一夜のあとに。内装はフィリップ・プレインとの共同デザインで(ジミーズをよく利用する人たちが、この皮肉を完全に理解しているかはわからないが、私はとても楽しめた)、水場と壁画はアレック・モノポリー(申し訳ないけど超おもしろい)がデザインしている。ドンペリニヨンのボトルをライトアップするには最適かつ唯一の会場かもしれない。私は誇らしげにモナコを身につけ、壁画の前で何枚も写真を撮影した。その写真は決して日の目を見ることはないが。

私は継父が、テレビでF1を観戦しているような穏やかでない雰囲気のなか育った。『Formula 1: 栄光のグランプリ(原題:Drive to Survive)』やクリス・ジェンナー(Kris Jenner)がパドックを練り歩くのが流行る前のヨーロッパで育った人間にとっては、ごく普通のことだ。でも実際にレースを見ていると、少なくとも最後の数周まではなんだか拍子抜けしてしまった。テレビ観戦のようにコース全体を見ることはできないからだ。でも会場の雰囲気は漂っていて、タグ・ホイヤーのロッジでトム・ホランド(Tom Holland)が隣に立っているときや、純粋に優勝チームを応援しているときのほうが楽しいことは、誰もが知っている。


モナコに72時間滞在し、そしてモナコを身につけていた私は、この時計がレースのスリルとクルマ文化の真の象徴であることを確信した。マルジェラのTabiが本当にファッションを愛し、理解している人のためのものであるのと同じように、クルマのことが本当に好きでなければこれをつけることはないだろうし、そのほうがクールだと思う。


新しいスケルトンは、元のオリジナルデザインと比べると逸脱しているかもしれない。しかし、私は革新と進化を求めている。安全策をとるのは、サーキット内外を問わず敗者のすることだ。

あなたが時計を買うとき、何を重視するだろうか? 

確かに全体に漂う美しさは、ほとんどの購入者を引きつける。ブランド名もそうだ。そしてもちろん、市場にあるすべての選択肢と比較しなければならないだろう。しかしあなたがコレクションを作るにせよレビューをするために時計を見るにせよ、 ほとんどの人はある時点で、自分が買うかもしれないひとつの時計がそのブランドについて何を物語っているのかを考えるようになると思う。私はその時計が優れているかどうかだけでなく、そのラインナップ全体がまとまりを持っているかどうかも気になる。その時計は果たして、そのラインナップを象徴するものなのだろうか? これらの要素を満たすものが、私にとっては少なくとも検討する価値のある時計といえる。
カール F. ブヘラが本当に得意とするものがあるとすれば、それはラインナップの統一感だ。同ブランドは、私が挙げたようなちょっとマニアックなウォッチメイキング、ペリフェラルローターによる巻き上げ方式にずいぶん前から取り組んできた。巻き上げローターをムーブメントの端(外周)に配置するという、時計学的に巧妙なトリックを発明したわけでもなく、それを行う唯一のブランドでもない。だが、それをラインナップに統合し、製造本数と価格の両方で大衆に提供することに最も優れた仕事をしたブランドであることは間違いない。その一例が、今年初めに発表されたマネロ ペリフェラルの最新モデルである。
この時計は基本的に既存のラインナップに新しい文字盤バリエーションを加えるものだが、さらなる特徴を秘めている。実はCal.A2050ムーブメントの導入については2016年に記事として取り上げているが、このときは伝統的なケース素材と文字盤の組み合わせによるドレッシーな時計という位置付けだった。
このとき用いられた伝統的なアプローチは理にかなっていた。ペリフェラルローターの利点は、中央で回転するローターに邪魔されることなくムーブメントの仕上げを鑑賞できること、そしてマイクロローターよりも効率的な巻き上げができることだ。だが、スモールセコンドの採用はこのムーブメントに単にドレッシーさを与えただけのように見えた。そして市場に溢れるその他多くのセミドレスウォッチの波に飲まれていってしまった。
COSC認定クロノメーターを取得しており、2万8800振動/時で駆動し、55時間のパワーリザーブを有するムーブメントに変わりはない。しかし今作においてカール F. ブヘラは、マネロ ペリフェラルが今日のシーンでより大きな存在感を示すことができるような、視覚的な衝撃を与える方法をついに見つけたのだと思う。
私のほかの記事を読んでくれている方ならすでにご存じだと思うが、私は色彩が時計に与える影響に魅せられ、すっかり抗えなくなっている。また過去10年間にHODINKEEで取り上げた時計を振り返ってみると、現在私たちはカラー・ルネッサンスの渦中にいるのではないだろうかと思う。というのも、ここ最近で特に膨大な量のカラーウォッチが市場に登場しているように思えるからだ。そして6色(もしくは芸術、物理学の観点から黒をどう見るかによって変わってくるが)からなるカラーバリエーションは、この時計をもう1度見直すに十分な動機となるだろう。
ペリフェラルローターのデザインにはいくつかの欠点があり、その主なものとしては時計の文字盤のバランスがしばしば崩れてしまうことが挙げられる。ローターがムーブメントの端を占めるため、時計の直径を大きくするか、輪列のレイアウトに変更を加える必要があるのだ。センターセコンドの場合は、まあ、4番車はしばしば文字盤の端ではなく中央寄りに配置されることになる。これは1度気づいてしまうと無視できない問題だ。ヴィンテージウォッチも現行モデルもその多くがバランスを微妙に崩してしまっていて、購入を検討するほど気に入っていたとしても私がなんとなく踏み切れない原因となっている。
カール F. ブヘラは、このアンバランスなデザインから目をそらさせるか、あるいはデザイン上の特徴に変えるために、いくつかのスマートな工夫を凝らした。シリーズの大半は円形のヘアライン仕上げが施されたカラフルな文字盤を持ち、光の加減で輝きや色の移り変わりが楽しめるようになっている。また6時位置のスモールセコンドは文字盤の表面からややくぼんでいるが、それを隠すのではなくデイト窓とマッチするブラック仕上げにすることでコントラストを演出した。これによりスモールセコンドの配置に注意を向けるのではなく、視線を前後に移動させるような形でふたつの要素のあいだに絶妙な緊張感を与えている。


そして楔形のインデックス(大半の文字盤にロジウムメッキが施されている)はほとんどのブランドが採用するよりも少し長く、あるいは少し太く感じられる。これはスモールセコンドとのコントラストも要因としてあるかもしれない。このインデックスは視線を文字盤の中心に集め、うまくバランスを整えるのにひと役買っている。これは文字盤のデザインとしてただ数色を用意しただけではないことを示す巧妙な手法だ。

ケースはこれまでと大きく変わっていない。全体はステンレススティール(SS)製で直径は40.6mm、厚さは11.2mmとなっている。私の感覚だと、このような時計はもう少し厚くあるべきだと思う。この点ではやや優雅さに欠けており、ほか部分の塾考されたデザインとは噛み合っていないように見える。しかしケースはよくデザインされており、美しいシェイプ、ラグの繊細な面取り、ハイポリッシュ仕上げとサテン仕上げの組み合わせ、さらにはリューズ周辺のケースにはわずかな隆起まで施されている。リューズガードというには少しもの足りないが、デザイナーが少なくとも何か違うことをしようとしていたことを示し、デザイン全体にアクセントを加えている。

サファイアクリスタルのケースバックでムーブメントの技術を見せたいというカール F. ブヘラの意向は理解できるが、この時計の新しいデザイン言語はスポーティであり、30m防水という数字には首をかしげざるを得ない。この時計からはスポーツウォッチではないにしても、スポーティに使って欲しいというメッセージが読み取れる。それは文字盤とケースの比率によって実寸の40.6mmより大きく見えるせいかもしれないし、 ブランドが掲げるカラフルなラインナップのせいかもしれない。だが私は30m防水は失敗だと強く感じている。

よりスポーティな時計やドレッシーな時計が欲しい場合、カール F. ブヘラのラインナップにはほかにも選択肢があるのは確かだ。しかし、あと20mでも防水性が高ければ、この時計は同ブランドの隙間を埋めるほぼ完璧な選択肢になるだけに、この問題は悔やまれる。そしてマネロ ペリフェラルのなかでさえもこの時計がすべての役割を果たせるわけではないことは承知したうえで、可能な限りのものをカバーしていることをカール F. ブヘラがほのめかしているかのように思える。
 “タキシード・ツインズ(タキシードの双子)”と呼ぶことにした時計は、その一例だ。パンダ文字盤とリバースパンダ文字盤(ともに針とインデックスにローズゴールドを使用する)のこの2本は、2016年に発表されたマネロ ペリフェラルのドレッシーなバージョンを懐かしむ人々のために用意された答えのようである。SS製で、前回のローズゴールド製よりも手に取りやすい価格(ほかのモデル同様に税込119万9000円)であり、特にカフスに少し余裕のあるシャツを着ている人ならタキシードウォッチとしても使えるだろう。しかし私は、カール F. ブヘラがこの時計を必ずしも何かに偏ることのないバランスの取れた立ち位置に置いていることの表れだと考えた。

アイスクリームも一緒に食べられますよ、なーんてね!

僕が帆船やヨットに乗ったり、ボートを漕いだりするのにいちばん近い活動といえば、近所のジムでローイングマシンを使って1週間分のファーストフードのカロリーを消費することくらいです。では、ボートに乗らない僕が、なぜボートのスタートタイムを測ることに特化したレガッタタイマー付きの腕時計が好きなのでしょうか? それはティソ シデラルのように楽しくてカラフルな時計なら、それだけで楽しめるからです。
ティソ シデラル S(レッド)
僕が今回取り上げる新生シデラルは、実はティソが1969年に発表したオリジナルモデルの後継モデル(1971年登場)、シデラル Sの現代解釈モデルです。オリジナルモデルはグラスファイバー製でカラフルなケースでしたが、この新バージョンはカーボンとステンレススティール製のケースです。ケースは主にブラックですが、ダイヤルにはオリジナルモデルよりも多くのカラーが使われています。全体的にかなりニッチな外観ですが、腕時計の世界では、多くの色が使われることに抵抗はない人も多いのではないでしょうか。
色使いといえば、シデラルには3種類のカラーバリエーション(レッド、ブルー、イエロー)があり、いずれもダイヤルカラーに合わせたラバーストラップが付属します。この猛暑続きの夏には、3色ともよく似合うと思いますよ。シデラルの水上競技の出自に興味がなくても、この派手な色使いは身につけていて実に楽しいと思います。屋外での料理やプールパーティにこの時計をつけていく自分が目に浮かびますが、毎日つけたい場合もぜひ試してみてほしいですね。もちろん、押し付けませんよ。
ティソ シデラルの詳細については冒頭の解説動画をご覧ください。撮影ではこの時計でボートレースのタイムを測ることはありませんでしたが、この時計ですることになっているアイスクリームを楽しむ映像を差し込んでいます。え、冗談だって? では、ティソの広告をご覧ください。
このモデルのように、僕もシデラルを着用しながらアイスクリームを楽しみました。

ベル&ロス BR-03コレクションの新作“BR-03 GMT コンパス”が登場した。

世界限定500本【探検家仕様“GMT×コンパス”ツールウオッチ】ベル&ロスの人気モデル“BR-03”コレクション新機軸。

ツートーンベゼルと方位計目盛り付き文字盤によって方位を示すことが可能。コンパスの馴染み深いデザインとGMT機能の実用性を兼ね備えた、これまでにない革新的なモデルと言えるだろう。

Ref.BR0393-COM-ST/SRB。SS(42mmサイズ)。100m防水。自動巻き(Cal.BR-CAL.303)。世界限定500本。67万1000円

新作の“BR-03 GMT コンパス”は、ナビゲーション計器に着想を得て、ブランドの探求心をさらに深めた新機軸と言える数量限定モデルだ。

コンパスをモチーフとした文字盤、ツートン仕様の24時間表示ベゼルを備え、GMT機能を応用することで簡易方位計としても使用可能。

文字盤にはコンパスの針を模したダイヤモンド型のGMT針が装備され、24時間表記のベゼルと組み合わせることで第2時間帯を読み取ることができる。

【画像6枚】コンパス文字盤が存在感抜群、“BR-03 GMT コンパス”を別アングルから見る

“BR-03 GMT コンパス”のアイコンとなっている文字盤に施された方位計のモチーフは、単なる装飾でなく、実際のナビゲーション機能を備えている。晴れた日には、コンパスローズの目盛りと第2時間帯を示す24時間表示のGMT針を用いることで、方位を簡単に知ることが可能だ。

GMT針は、伝統的な磁気コンパスの針と同様にダイヤモンド型をしており、文字盤のフランジには、6時、12時、18時、24時の位置に東西南北の4方位が記されている。

太陽の位置を利用して方位を確認する場合は、時計を地面と平行に水平に保った状態で、まず、GMT針を太陽時に合わせる。

たとえば、夏のジュネーブでは太陽時は公式時刻より2時間遅れており、午後2時の公式時刻は太陽時では正午となる。次に、赤い針を太陽の方向に向けることで、文字盤の目盛りを使って方位を読み取ることが可能だ。

ムーヴメントは、54時間パワーリザーブの自動巻きキャリバー、BR-CAL.303を搭載。ラバーベルトまたはベルクロ式ベルトが選択可能で、世界限定500本。価格は67万1000円だ。

関連商品:https://www.yokowatch.com/BellRoss-Watch.html

ユリス・ナルダンの最新作となる、ブラスト フリーホイール マルケトリが発表された。

本作のベースとなったフリーホイールは2018年に発表されたシリーズ(その後2021年にもバリエーションが登場している)。スケルトナイズされたダイヤルで、宙に浮いているかのようなトゥールビヨンやパワーリザーブインジケーターが動くのを視覚的に楽しむことができるモデルだ。これらのモーションは、革新的なボックスドーム型サファイヤクリスタルの採用により、ケースサイドからも見ることができる。

 本機は香箱や減速車、中間車やパワーリザーブディファレンシャル(差動装置)といった歯車がむき出しになったとてもユニークなモデルだが、特筆すべきはいずれも“くの字”の形を持つ、4時位置の7デイズパワーリザーブインジケーターと、6時位置のフライングトゥールビヨン機構だろう。
 パワーリザーブインジケーターは、弧を描く3本の帯の上にある三角マークが役割を果たし、パワーリザーブの残量が少ないときは、そのマークが1本の帯を指し示す。またフライングトゥールビヨンには、従来のスイス製レバー脱進機に取って代わる、ユリス・アンカー・コンスタント・エスケープメントを採用。これは金属や合成ルビーの代わりに、低摩擦性と柔軟性の作用を持つシリコンブレードを取り入れた、ユリス・ナルダンならではのものである(この機構は2015年のGPHGでトゥールビヨン部門賞を受賞している)。
 ここまではブラスト フリーホイール全体の特色についてお伝えしたが、本モデルを限定たらしめるのは、その宙に浮いているかのようなムーブメントの下と(12時位置の)香箱を華やかに飾る、“マルケトリ(寄木細工)”ダイヤルだ。


 103枚のシリシウム製ブルータイルから成る寄木細工は、時計でありながらまるで芸術作品かのような印象を与える。2種類の厚み(0.30mmと0.35mm)でつくりあげた寄木細工に、マット仕上げ(濃いブルーのほう)と鏡面仕上げ(薄いブルーのほう)を施し、さらにそれをミクロン単位で精緻にセットすることで、角度によって変容する反射とコントラストを生み出し、作品の立体感を際立たせる。
 これらの作業のもと、小さくて薄いシリシウムプレートを組み立てて1枚の文字盤を完成させるには、熟練の職人が膨大な時間をかけて作業に専念しなければならない。
 ブラスト フリーホイール マルケトリの裏にはマット仕上げのブルーシリシウムプレートが収められており、それを覆うサファイアクリスタル製シースルーバックからそのシリシウムが鑑賞できる。

ファースト・インプレッション

ユリス・ナルダンと聞いたらまず、ダイバーやマリーン(マリンクロノメーターがブランドのルーツ)といった、海と関わりの深い時計を思い浮かべるかもしれない(私はそうだった)。その点ブラストシリーズに属するのは、天文時計のムーンストラックやデュアルタイム、そして今回紹介したフリーホイール(トゥールビヨン)などであり、複雑機構をメインに展開しているように見受けられる。そのバリエーションは幅広くあって、ブランドが海にまつわる時計以外にも力を入れているのがわかる。
 ただ今日発表されたブラスト フリーホイール マルケトリは、海のように真っ青だ。この青い寄木細工の仕上げをマットと鏡面にわけているため、時計を動かすたびにまるで海面で揺らめく波が光を受けたようになるのだろう。ただ、私はまだ実機を見ていないため、これはあくまでも想像に過ぎない。加えてブルーのベルベット調防水ラバーストラップのオプションが用意されている。新作の防水性は30mなので海の中に持ち込むことはおろか、手を洗うときも少し気を付けなければいけないのに、ストラップまで防水性を意識しているのだ。
 私にはこの新しいブラストコレクションが、ダイバーやマリーンのいる海のほうへと歩み寄っているように感じてならない。もちろん、ブラストには既存のブルーダイヤルはたくさんある。けどこれは裏側までもが青いのだ。私はそう思ったが、みなさんの意見はどうだろう?
 ケース径は45mmと、既存のブラスト フリーホイールより1mm大きくなっているが、そのぶんこのマルケトリダイヤルを手首の上でたっぷりと堪能できると考えれば1mmの誤差は気にならないだろう。私は、芸術的なタイムピースは大きければ大きいほうがいいという考えだ。
 まあこのマルケトリが実際どれほど綺麗な輝きを放つのか、実物を見てみなければわからないので、今度機会があれば拝見したい。

基本情報

ブランド: ユリス・ナルダン(Ulysse Nardin)
モデル名: ブラスト フリーホイール マルケトリ(Blast Free Wheel Marquetry)
型番: 1760-401-3A/3A

直径: 45mm
厚さ: 12.04mm
ケース素材: ホワイトゴールド製ブラストケース(ウルトラボックスドーム型サファイアガラス)
文字盤: メティエダール(ブルーのマット&鏡面仕上げのシリシウム製マルケトリ)
夜光: 針にスーパールミノバ
防水性能: 30m
ストラップ/ブレスレット: ブルーのベルベット調防水ラバーストラップ

ムーブメント情報
キャリバー: UN-176
機能: 時・分、パワーリザーブインジケーター、フライングトゥールビヨン
直径: 37mm
厚み: 6.95mm
パワーリザーブ: 約7日間
巻き上げ方式: 手巻き
振動数: 1万8000振動/時
石数: 23
追加情報: ユリス・アンカー・コンスタント・エスケープメント搭載

価格 & 発売時期
価格: 税込で1916万2000円(2023年9月からの新価格)

ページ移動

ユーティリティ

- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31

タグクラウド

ページ

ユーザー

新着画像

Feed