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このセレブレーションを皆で祝うために、セイコーは11もの限定モデルを発表した。

ローレルは、セイコーが製造した国産初の腕時計として1913年に発売。それ以前の日本の時計市場は、主に輸入品に依存していましたが、セイコーローレルの登場によって、国産時計の新たな歴史が始まりました。

誕生から100年を超えるローレルは、色褪せないホワイトの琺瑯ダイヤルに12時位置の赤いアラビア数字のインデックスとブルーの針が特徴的なモデルでした。

この時計の発売を皮切りに国内外での評価を高め、今日の国際的なブランドへと成長していったことを考えると日本の時計産業の発展において、非常に重要な役割を果たしたひとつのマイルストーン的な腕時計と言っても過言ではありません。
今年はそのローレル誕生から110周年を迎える年ということもあり、これを盛大に祝うべく、セイコーは合わせて6ブランド、11もの限定モデルを発表しました。 

セイコー プレザージュ、セイコー プロスペックス、セイコー アストロン、セイコー 5スポーツ、セイコー ルキア、セイコーセレクションと幅広いブランドにまたがって展開され、時計もクラシックなデザインのものから、スポーティなモデル、そして先端技術を用いるモデルまでさまざま。税込価格も3万6300円から22万円までの幅があるため、気に入る1本が見つかるでしょう。

セイコー プレザージュ
クラフツマンシップシリーズ SARW071

11モデルのうちの最初の1本は、セイコー プレザージュ クラフツマンシップシリーズのSARW071です。プレザージュは、日本の伝統技術に根ざした素材やデザインを融合した製品を展開しているブランドで、なかでもクラフツマンシップシリーズは特に職人技にこだわったシリーズ。

ダイヤルには初代「ローレル」と同じく、琺瑯が採用されています。琺瑯職人の横澤 満氏の監修のもと、焼き上げられています。デザインは今回の限定リリースのうち最もローレルに近い意匠が多く盛り込まれたモデルのひとつです。
セイコー プレザージュ クラフツマンシップシリーズ SARW071
ケースサイズ: 直径 40.2mm × 厚さ12.8mm
ケース素材: ステンレススティール(ダイヤシールド)
ムーブメント: 自動巻きCal.6R27
限定: 世界限定1500本、うち国内300本
価格: 16万5000円

Sharp Edged Series SARX113

Sharp Edged Seriesは、2020年にプレザージュに登場した新シリーズです。鏡面仕上げと繊細なサテン仕上げの組み合わせによるエッジの立った立体的なケースが特徴的なモデル。

麻の葉紋様と呼ばれる正六角形を基本とした日本の伝統的な幾何学紋様が立体的にダイヤルに表現されています。通常ラインにすでに白練(しろねり)と呼ばれる白文字盤のモデルがありますが、こちらはホワイトのグラデーションカラーです。12時位置のミニッツトラックの赤とブルーの秒針がさり気なくローレルを連想させます。
セイコー プレザージュ Sharp Edged Series SARX113
ケースサイズ: 直径40.2mm × 厚さ13.0mm
ケース素材: ステンレススティール(ダイヤシールド)
ムーブメント: 自動巻きCal.6R55
限定: 世界限定2000本、うち国内300本
価格: 14万3000円(税込)

プレザージュブランド最後のモデルは、1960年代のヴィンテージ感を表現したStyle60'sから登場したGMTウォッチです。もともとセイコー初のクロノグラフウォッチ、クラウン クロノグラフのディテールが取り入れられたモデルですが、ケース、ベゼル、ダイヤルがトーンオントーンにまとめられており、オリジナルの面影はほとんどありません。ダイヤルと針のコントラストが高く青がとても映えます。夜光はクリーム色のフォティーナですが、どこか少しモダンな雰囲気があります。なお、GMTは針を単独で動かすコーラーGMT仕様です。
セイコー プレザージュ Style60's SARY233
ケースサイズ: 直径40.8mm × 厚さ13.0mm
ケース素材: ステンレススティール
ムーブメント: Cal.4R34
限定: 世界限定3500本、うち国内300本
価格: 8万4700円(税込)

セイコー プロスペックス
スピードタイマー SBER009

スピードタイマー ソーラークロノグラフ1/100秒計測は、デザインと機能性のふたつの点で際立ったモデルです。4つのインダイヤルと3つのプッシャーとリューズを備えた一風変わったデザイン、そして100分の1秒単位で経過時間を計測できる精密なストップウォッチ機能を備えています。時刻表示と積算表示を完全に独立させたレイアウトは視認性を高めるためのもの。ローレルの要素は、赤いカラーリングをストップウォッチ針に採用されています。スピードタイマー ソーラークロノグラフ1/100秒計測としては、初めてレザーストラップが付属します。
セイコー プロスペックス スピードタイマー SBER009
ケースサイズ: 直径42.0mm × 厚さ12.9mm
ケース素材: ステンレススティール
ムーブメント: ソーラークロノグラフムーブメント Cal.8A50
限定: 世界限定3500本、うち国内500本
価格: 13万7500円(税込)

アルピニスト SBEJ017

1959年当時、人々の身近なレジャーといえば登山やハイキングでした。そういったアクティブなシーンに似合う時計として誕生したのがローレル アルピニスト。1995年に発表された「緑のアルピニスト」で知られるモデルのデザインが現在のコレクションにまで受け継がれています。

国産腕時計110周年記念モデルとして登場したアルピニスト SBEJ017は、同モデル史上初めてGMT機能が搭載されました。内部で駆動するのは、約72時間のロングパワーリザーブとGMT機能を備えたCal.6R54。

セイコーのプレスリリースによると『簡易方位計つき内転リングの赤いマークは、太陽の向きと時針や24時針をもとに方角を知る際、北の方角を示すと同時に、初代「ローレル」の意匠に繋がっている』とありますが、アルピニストのなかでもカルト的人気を誇るアイボリーダイヤルに赤い三角マークを備えた、レッドアルピニストの相性で親しまれるモデルにより近い印象です。
セイコー プロスペックス アルピニスト SBEJ017
ケースサイズ: 直径39.5mm × 厚さ13.6mm
ケース素材: ステンレススティール(ダイヤシールド)
ムーブメント: 自動巻きCal.6R54
限定: 世界限定3000本、うち国内300本
価格: 18万1500円(税込)

ベンラス クラシックでいてモダンなウルトラディープが登場

比較的無名な、しかしクールなヴィンテージモデルのリメイクが好きな人のために、スーパーコンプレッサーケースを持つベンラス ウルトラディープを紹介しよう。そして新しい(見た目は古い)時計のために、ベンラスはオリジナルを再現するべく多大な努力をした。

 1960年にスキューバダイビングが本格的に普及し始めた頃、アメリカのベンラス社(米軍に頻繁に腕時計を提供していた)は活動を開始した。コレクターにとって名機とされたもののひとつがコンプレッサーケースを持つウルトラディープだった。ほかの優れたコンプレッサーケースがそうであるように、時計のケースも深く潜るにつれて圧迫されていき、防水性は約600フィート(約200m)にまで強化された。また、インナー回転ベゼルを採用したことでよりスッキリとしたルックスになるだけでなく、誤ってベゼルを回転させてしまうことも防いだ。
 そのデザインがオリジナルと同じ36.5mmサイズで、今回はソプロード製のP024ムーブメントを搭載して復活した。さらにこのスタイルを象徴する日付拡大窓、カテドラル針、アクリル製クリスタルを装備。またオリジナル同様、20気圧に耐えられるようにテストもされている。ブランドによると、新しいこの技術と公差により深度を維持するために、現代的なねじ込み式リューズとスーパールミノバを採用したという。


 新しいベンラス ウルトラディープは、ベンラスの公式ウェブサイトにて1095ドル(日本円で約16万2000円)で入手できる。

我々の考え
これはスーパーコンプレッサーそのもののように見える。おわかりいただけるだろうか? スーパーコンプレッサーだ。

 ニューヨークにある結束の固いウォッチコミュニティにいることで得られる素晴らしいことのひとつは、クールな時計を先行して見られることだ。場合によってはNDA(秘密保持契約)にサインしたり、将来ファーストモデルになりそうなものなど、なんやかんやあったりするが、そうして手に入れたものはすでに市場に出回っているものとはわずかに異なる文字盤カラーだったりもする。しかしときには、薄暗いバーで誰かがポケットから時計を取り出して、“かっこいいのを見たいか?”となることもある。そのようにして私は最初にウルトラディープを見たのだが、暗い店内で見た限りでは、その期待は裏切られなかった。
 実際この数カ月で多くの人がこの時計を見たようで、シカゴで開催されたWindup Watch Fairの最中に、何人かの同僚の手首に巻かれてミシガン湖のダイビング旅行へ携行されたようだ。これは厳重に守られた秘密ではないという事実であるが、クラシックなスーパーコンプレッサーを忠実に再現しながらも現代的な方法でまとめた、非常に優れた作品の魅力を損なうものではない。

 厚さ13.8mm、直径36.5mmと、厚ぼったくなるのではと思うかもしれないが、ブランドの担当者からは再現性を高めるために1mm単位で格闘したのだと話を聞いている。カテドラルスタイルの時・分針と日付表示窓は素晴らしいタッチだが、フェイクヴィンテージの手法に傾倒しようとしすぎているようには1度も感じなかった。時代に合わせて設計を変更し、真のコンプレッサーケースでなくなってしまったのは少し残念だが、おそらくそれよりも優れ、信頼性も高くなっている。全体的に見るとバランスの取れた素晴らしい時計であり、価格も手頃である。

基本情報
ブランド: ベンラス(Benrus)
モデル名: ウルトラディープ(Ultra-Deep)

直径: 36.5mm(リューズを含まず)
厚さ: 13.8mm
ラグからラグまで: 41.5mm
ケース素材: 316L製ステンレススティール/ねじ込み式リューズ
文字盤: ブラック
夜光: インデックス、針、ベゼルにC3スーパールミノバ
防水性能: 200m
ストラップ/ブレスレット: ステンレススティール製ジュビリースタイルクイックリリースブレスレット、ブルーナイロン製NATOダイバーストラップ付属


ムーブメント情報
キャリバー: ソプロード製P024
機能: 時・分・センターセコンド、クイックセットデイト(日付を単独で調整できる機能)
パワーリザーブ: 約38時間
巻き上げ方式: 自動巻き
追加情報: アクリル製ダブルドームクリスタル、日付拡大窓、ふたつ目のリューズで作動する60分の回転インナーベゼル

価格 & 発売時期
価格: 1095ドル(日本円で約16万2000円)

ファブリックストラップとメタルブレスレットの境界をつなぐ、新たな発明だ。

ミンは、製造技術の限界を押し広げることにかけては、もはやおなじみの存在である。いまやこのブランドは、まるでラボそのもののように感じられ、消費者向けの製品自体が実験材料となっている。今年だけでも、アイリスや20.01シリーズ5といったモデルで、ダイヤル製造における数多くの実験が行われてきた。近年では、独自の白色夜光ルミノバを開発したほか、驚異的な超軽量モデル、そしてサファイア素材の多様な活用にも挑戦している。


ミンはまさに常識外れともいえる新作を発表した。しかもそれは時計ではない。おそらく世界初となる、3Dプリントによるチタン製ブレスレットとストラップのハイブリッドだ。これは金属工芸の極致ともいえる驚異的な作品であり、1693個もの独立したリンクとパーツで構成されているが、ピンもネジも一切使わずに連結されている。チタン製のピンバックルも同様に3Dプリントでつくられ、ブレスレットに装着されたクイックリリース式のバネ棒を除けば、組み立てを必要としない完全一体構造となっている。

ミンはこのプロジェクトにおけるサプライヤーとの協業について非常に透明性を高くしており、今回の興味深い取り組みに関してはイタリアのSisma S.p.AとスイスのProMotion SAの名を挙げている。グレード5のチタンはもともと加工がきわめて難しい素材だが、それを粉末状にして3Dプリントするとなれば、さらに困難を極めることは想像に難くない。それにはミンも同意しており、3Dプリントに用いる粉末チタンは不活性ガス環境下で製造しなければ非常に爆発しやすいと指摘している。
ブランドによれば、この製造プロセスでは数百層にもおよぶ焼結工程が行われるという。成形後には層のラインや表面の不均一を除去するための仕上げ加工が必要であり、そのすべてが滑らかに可動するように仕上げられる。最終的な製品では、各パーツ間の隙間はわずか70ミクロンという極めて高い精度で仕上げられており、すべてのパーツが完璧に連動することで、金属の布のようなしなやかなドレープを実現している。
グレード5チタン製のミン ポリメッシュの価格は1500スイスフラン(日本円で約28万5000円)で、ミンおよび正規販売店を通じて販売される。現在は20mmサイズのみの展開だが、22mmサイズの開発も進められている。

我々の考え
3Dプリント技術は、一般消費者向けの時計製造において新たな成熟期を迎えつつあるように感じる(今年のチタン製Apple Watchのケースはすべて3Dプリントでつくられているが、その痕跡を示すような視覚的な手がかりは一切ない)。そして今回の例は、アディティブマニュファクチャリング(積層造形)が、奇抜なケース形状やスケルトンラグをつくるためではなく、まったく異なるアプローチで時計業界に応用されていることを示す好例である。

Geneva Watch Daysの期間中に、実物のブレスレットプロトタイプを目にした同僚のアンディ(・ホフマン)に話を聞いたところ、彼は“実物はまったく異次元の存在だった”と語っていた。チタンでありながら布のようにしなやかに垂れ、手首に巻くと信じられないほど軽いという。その点において、ミンはまさにミッションを達成したと言えるだろう。
見た目の洗練さという点では、最も完成された印象とは言いがたいかもしれない。表面のざらついた質感がやや未仕上げのように感じられ、3Dプリントであることを示す決定的な手がかりにもなっている。それでも、今後登場予定のステンレススティール製バージョンがどのような仕上がりになるのか、非常に気になるところだ。これは本当にクールで、しかも純粋に新しい試みであり、さらなる展開が楽しみでならない。

価格&発売時期
価格: 1500スイスフラン(日本円で約28万円)

ウニマティックにブランドが10周年の節目に初めて打ち出すエリア限定モデル。

ウニマティックに日本限定の3モデルが登場。

腕時計の価格が加速度的に高騰していくなか、その流れと並行して存在感を増しているのが、いわゆる“マイクロブランド”と呼ばれる小規模ながらも個性あふれる新興時計ブランドです。本サイトでもアノマ、アーセン、アトリエ・ウェン、ミルコ、ロルカ、ノダスなど、多様なブランドを紹介してきましたが、その中でも僕が個人的に気に入っているのがウニマティック(Unimatic)です。実際に僕自身も、2本を時計コレクションに加えているほどです。

ウニマティックは、ミラノ工科大学で工業デザインを学んだプロダクトデザイナー、ジョヴァンニ・モーロとシモーネ・ヌンツィアートによって2015年に創設されたイタリアの時計ブランドです。

 ブランド名は、イタリア語の UNICO(ユニーク/唯一の存在) と、ギリシャ語の AUTOMATOS(自動で動くもの) を組み合わせた造語に由来しています。その名が示すように、既存の時計の枠にとらわれない独自のデザイン哲学と機能性を融合させ、他にはない個性を宿したモデルを生み出しています。

 スイスや日本、ドイツといった伝統的な時計ブランドとは一線を画すテイストを、比較的手の届きやすい価格帯で楽しめる点も、このブランドならではの大きな魅力です。

そんなウニマティックから、日本でしか手に入らない3本の限定モデルが登場しました。まず1本目は、アラビア数字とローマ数字を半分ずつ組み合わせたカリフォルニアダイヤルを備えるモデロ ドゥエ U2-JDM。直径38mm × 厚さ12.7mmのステンレススティール製ケースを採用したツールウォッチです。

 「どこかで見覚えがあるかも?」と思った方は、もしかすると2021年に発表された、グレーダイヤル仕様のHODINKEE限定モデルを記憶しているのかもしれません。本作はよりスタンダードで汎用性の高いブラックダイヤルを採用しています。

2021年のHODINKEE限定のモデロ ドゥエ U2-H。
 このカリフォルニアダイヤルは、かつてロレックスのバブルバックや、イタリア・フィレンツェで創業したパネライがイタリア海軍向けに製造したモデルにも用いられた歴史を持ちます。そうした背景からも、イタリア発のウニマティックとの結びつきを感じさせる意匠といえます。

 なお、本作はFORZA STYLE 編集長でありミニマルワードローブ ファッションディレクターの干場義雅氏 と、菅原靴店代表の菅原誠氏 による別注モデルとして作られました。

モデロ クアトロ UT4-JDM
 続くUT4-JDMはアーヴァン・サファリをテーマにした1本。ガンメタルマット仕上げを施した艶消しのステンレススティールケースに、印字のないシンプルな固定式ベゼルを組み合わせた、まさにブランドのアイデンティティを感じさせるデザイン。

 マット仕上げのカーキダイヤルにはフォティーナ仕様のインデックスが配され、ヴィンテージの雰囲気を漂わせながらも現代的な洗練さを併せ持っています。さらにカーキ色のナイロンストラップが全体のトーンを引き締め、ミリタリーテイストを一層際立たせています。

 直径40mmというしっかりした存在感に加え、防水性能は300mとモデル名の通り“アーバンエクスプローラー”として、街でもフィールドでも活躍できる万能なツールウォッチに仕上がっています。

モデロ チンクエ UT5-JDM
 最後の UT5-JDMは、直径36mmのサンドブラスト仕上げステンレススティールケースを採用した、シリーズ最小径のコンパクトなモデルです。テーマは“コンクリート・ジャングル”。明るいクールグレーのマットダイヤルとナイロンストラップが織りなす色調は、都会の景観に自然に溶け込むモダンなニュアンスを漂わせます。

 カーキやブラックが主流のミリタリーテイストとは一線を画し、無機質で洗練されたモノトーンの世界観を打ち出しているのも特徴。小ぶりなケースサイズながら、300m防水や360°耐衝撃保護システムといった本格的なスペックをしっかり備えており、ツールウォッチのタフさがしっかりと凝縮されています。

 ムーブメントについて触れておくと、U2-JDM はTMI製の自動巻きムーブメントが搭載されています。一方で、UT4-JDMとUT5-JDM の2モデルには、機械式のように滑らかな秒針の動きを見せるTMI製クォーツムーブメントが採用されています。

 価格は、U2-JDM が14万8500円、UT4-JDM、UT5-JDMがともに14万3000円(すべて税込)です。

ファースト・インプレッション
記念すべき最初のエリア限定として日本が選ばれたのは、創業者でありデザイナーでもあるジョヴァンニとシモーネの強い思い入れによるものです。二人が熱狂していたのは、かつて存在したスクーターのJDMモデル。海外では手に入らない“日本国内専売モデル”に惹かれ、そのカルチャーからインスピレーションを得たことが、このプロジェクトのベースアイデアになったそうです。


 彼らはまた、日本のクリエイティブや工業デザインへの憧れを公言しており、そのリスペクトがブランド史上初となる国・地域限定プロジェクト――今回のJDMコレクションへと結実しました。通常、ウニマティックのモデルではスイス製セリタのムーブメントが採用されることも多いのですが、本作ではあえて3型すべてにTMI製ムーブメントを搭載。これもまた、日本をテーマとした今回のプロジェクトに寄り添う選択と言えると思います。


 僕はブランドの存在自体は創業当初のモデルから知っていましたが、初めてウニマティックを自分のコレクションに迎えたのは、実はごく最近のことです。最初の1本は、友人マーク・チョー氏が手がけるメンズウェアショップ「アーモリー」とのコラボレーションによって昨年誕生した限定モデル。そして間を置かずに手に入れたのが、HODINKEE限定で発表された、全面夜光ダイヤルを備えた150本限定のモデルでした。

 僕がそれまで手にしていなかったのは、ウニマティックの価格帯が10万円前後が中心で、衝動買いするにはやや高く、またすでに自分の手元にはダイバーズやツールウォッチが揃っていたから。なかなか購入に踏み切れずにいたのです。

 だからこそ、友人が手がけた“特別な背景”を持つモデルが、僕の背中を強く押してくれました。実際に手に入れてからは、そのユニークなデザインがすっかり気に入り、愛用するようになりました。そして気がつけば、新作が発表されるたびに自然とチェックするようになっていたのです。
 実際に使ってみて改めて感じたのは、ウニマティックの時計は、初めて時計を手にする人にとってはもちろん魅力的である一方、すでにいくつもの時計を所有している愛好家やコレクターにとっても“外しの一本”として楽しめる存在だということ。例えばツールウォッチでありながら、あえてベゼルのスケールを排するなど、細部に独自の工夫が光るのもウニマティックの特徴です。時計に詳しくない人から見れば「他とは違うデザイン」として新鮮に映り、時計好きにとっては「意図的にそうしている」という背景を含めて、二重の面白さがあるのではないでしょうか。

 価格帯からも日常で気負わず着けられ、使い込んで傷がついても気にせず、それをむしろスタイルの一部として楽しめる――そんな自由さこそ、このブランドの真骨頂なのだと思います。
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基本情報
ブランド: ウニマティック(Unimatic)
モデル名: U2-JDM / UT4-JDM “アーバンエクスプローラー” / UT5-JDM “コンクリートジャングル”
型番: U2-JDM / UT4-JDM / UT5-JDM

直径: 38mm(U2-JDM)/ 40mm(UT4-JDM)/ 36mm(UT5-JDM)
厚さ: 12.7mm(15.7mm 風防込み|U2-JDM)/ 12.5mm(14.5mm 風防込み|UT4-JDM)/ 11.6mm(13.5mm 風防込み|UT5-JDM)
ケース素材: 316L ステンレススチール(サテン仕上げ|U2-JDM / ガンメタルマット仕上げ|UT4-JDM / サンドブラスト仕上げ|UT5-JDM)
文字盤色: カリフォルニアブラックマット(U2-JDM)/ ミリタリーマット(UT4-JDM)/ クールグレーマット(UT5-JDM)
インデックス: マットホワイト(U2-JDM)/ ミリタリーパレット調(UT4-JDM)/ グレー系(UT5-JDM)
夜光: スーパールミノバ® C1 ホワイト(U2-JDM)/ スーパールミノバ®(ミリタリーパレット基調|UT4-JDM)/ スーパールミノバ® GL C1(UT5-JDM)
防水性能: 300m / 1000 フィート / 30 気圧
ストラップ/ブレスレット: ブラックナイロンツーピース(U2-JDM)/ ミリタリーナイロンツーピース(UT4-JDM)/ クールグレーナイロンツーピース(UT5-JDM・クイックリリース付き)

ムーブメント情報
キャリバー: NH35A(U2-JDM)/ VH31A クォーツ(UT4-JDM, UT5-JDM)
機構: 時、分、秒
パワーリザーブ: 41 時間(U2-JDM)/ 電池駆動 約2年(UT4-JDM, UT5-JDM)
巻き上げ方式: 双方向自動巻き+手巻き可(U2-JDM)/ 電池式(UT4-JDM, UT5-JDM)
振動数: 2万1600振動/時(U2-JDM)

価格 & 発売時期
価格: 15万4000円(U2-JDM)、14万3000円(UT4-JDM, UT5-JDM)、すべて税込
発売時期: 10月1日からミニマルワードローブ・菅原靴店のみ展開(U2-JDM)、10月22日から新宿伊勢丹メンズ館1FプロモーションスペースとFLOENS TOKYOにて先行販売(UT4-JDM、UT5-JDM)
限定: 100本限定(U2-JDM)/ 50本限定(UT4-JDM, UT5-JDM)

時計愛好家たちが自分たちの時計を開発するとき、

コレクティブ・オロロジー(Collective Horology)がまたも新たなコラボレーションプロジェクトを発表した。今回はモンブランとのコラボだ。ヴィンテージウォッチ愛好家なら、この新作が単なるモンブランではなく、1858 ミネルバ モノプッシャー クロノグラフであると聞けばよろこぶことだろう。

モンブラン 1858 ミネルバ モノプッシャー クロノグラフ
この新しい時計は“ブルーアロー” P.05と呼ばれ、ミネルバのロゴが入っている。30本限定で、42mm径スティールケースを持つ本機には、ミネルバのクロノグラフデザインを象徴するふたつの特徴がある。まず、前述した古典的なミネルバのロゴと、モデル名にもなったブルーの回転式カウントダウンタイマーだ。これは18Kホワイトゴールド製コインエッジベゼルにより制御されている。このベゼルはもともとパイロットが手袋を着用していても簡単に操作できるように設計されたものだ。

モンブラン 1858 ミネルバ モノプッシャー クロノグラフのダイヤル
“ブルーアロー”には、ほかにもヴィンテージをモチーフにしたデザインが数多く盛り込まれている。イエローのインダイヤルとブルースケールが、ホワイトラッカー仕上げの文字盤のアクセントとなっている。これらのデザインは、コレクティブの共同創業者であるガーベ・レイリー(Gabe Reilly)氏が、昨年のWorn & Wound Windup Watch Fairのディーラーであるエリック・ウィンド(Eric Wind)氏のブースで発見したものを含む、ヴィンテージのミネルバストップウォッチから引用されたものだ。忘れてはならないのは、コレクティブ・オロロジーはコラボレートウォッチを製作しつつ、アメリカ国内での流通が限られているインディペンデントブランドを販売するグループであり、さらにリテーラーでもあるということだ。それは2019年までさかのぼるが、最近では今年初めにも取り上げている。

モンブラン 1858 ミネルバ モノプッシャー クロノグラフに搭載されたCal.MB M13.21
機能面においては3時位置に30分積算計、9時位置にランニングセコンドを備えている。それらはすべてミネルバCal.13.20の流れを汲む手巻きムーブメントMB M13.21によって駆動し、シースルースバックから鑑賞できる。同ムーブメントのほぼすべての部品(石とわずかなネジを除く)は、スイスにあるヴィルレで自社製造された。約60時間のパワーリザーブを持つこのムーブメントは、フィリップス曲線を描くチラねじテンプ、コート・ド・ジュネーブ仕上げを施したロジウムコーティングのジャーマンシルバー製ブリッジ、両側面に施されたサーキュラー・グレイン仕上げ、そして手作業による面取りを施している。

モンブラン 1858 ミネルバ モノプッシャー クロノグラフの6時位置のディテール
ヴィンテージファンにとっての本当の勝利は(少し微妙だが)、文字盤にミネルバとモンブランの両方のロゴが入ったダブルネームになっていることだ。ミネルバアローのロゴが現代のモンブランウォッチに復活したのはこれが2度目である。このモデルは現在生産中で、12月に納品予定とのこと。そしてヴィンテージにインスパイアされたこの新しいモンブランの価格は、3万4500ドル(日本円で約515万円)で提供される。

我々の考え
私はヴィンテージミネルバのファンだ。実際、今年の私のお気に入りのヴィンテージウォッチのひとつは、この春のモナコ・レジェンドオークションで取引された、特大サイズのトロピカルなスプリットセコンド ミネルバ クロノグラフだった。ただし、その時計はバルジュー55VBRムーブメントを搭載しているため、ミネルバを讃えるならムーブメントについて語らなければならない。

古いミネルバ 55VBRのリストショット
ミネルバ Cal.13.20は、1920年代から1930年代にかけて製造されたクラシックな手巻きクロノグラフムーブメントであった。2007年にモンブランがミネルバを買収したとき、技術やノウハウだけを取り上げてブランドを完全に消滅させなかったことをうれしく思う。通常、歴史的な成功例と比較されることなく、独自の道を切り開くのは難しいことが多い。しかしMB M13.21を搭載したことで、新しいモンブランにミネルバブランドの系譜を見ることができる。

モンブラン 1858 ミネルバ モノプッシャー クロノグラフのリストショット
ムーブメントを再現するためのツールを作るには、信じられないほどのコストがかかる。幸運なことに、モンブランはそのツールを持っているだけでなく、製造したすべてのキャリバーを修理する能力を持っている。しかし13.20 (現13.21)に関しては、7人の時計職人からなるチームがムーブメントの最初から最後まで責任を持って作り続けている。ムーブメントにはコラムホイール式の垂直クラッチを備え、ブリッジはロジウムメッキされたジャーマンシルバーでできており、コラムホイールレバーには特徴的な矢印の形をした“デビルズテイル(悪魔の尻尾)”のサインがあるのがわかる。

コラムホイール式クロノグラフのCal.MB M13.21
モンブランの時計部門マネージング・ディレクターであるローラン・レカン(Laurent Lecamp)氏によると、文字盤にミネルバの刻印を入れたものは、同社の時計のなかで最も要望が多かったという。彼らはそれを1度しかやったことがなく、ミネルバの古いスプリットクロノグラフを彼に見せたとき、彼は“ああ、もうこの手のやつはごめんだ”とでも思ったかのように小さく息をついた。昔のミネルバキャリバーを乗せた時計のケースバックやムーブメントを飾っていたミネルバアローのデザインではなく、ヴィンテージミネルバで採用されていた筆記体ロゴを見たかった。しかし、私が生きているあいだにはおそらくそのようなことは起こらないだろうし、彼らがすぐにそのスタンプを押すこともないだろう。

モンブラン 1858 ミネルバ モノプッシャー クロノグラフのダイヤル
モンブラン 1858 ミネルバ モノプッシャー クロノグラフの裏に施されたエングレービング
モンブラン 1858 ミネルバ モノプッシャー クロノグラフのケースサイド
この時計を扱ってみて思ったのは、すべての条件を満たしているということ。ムーブメントの巻き上げは、私が記憶しているよりもずっとソフトで、硬すぎずゆるすぎず、クロノグラフのプッシュもとても柔らかく滑らかだった。文字盤はここでも際立っている。深みがあるのだ。また特筆すべき点として、新しいパッケージもかなりクールだということ。一種のパズルボックスのようなクオリティで(秘密は明かされない)、そのすべてがスイスで手作りされ、多くの歴史的な趣向が凝らされている。

Montblanc 1858 Chronograph
3万4500ドル(日本円で約515万円)という価格はかなりの高額に思えるかもしれない。我々とのコラボモデルや、昨年登場した“レッドアロー”など、以前の1858 ミネルバ モノプッシャーと比較すると、ここ数年で価格が徐々に上昇していることがわかる。その理由の一部は、全面的な製造コストの増加だと言われた。もうひとつの理由は、生産本数の減少(過去モデルは88本だが、これは30本限定だ)によるもので、また最終的には手作業による生産とカラフルなダイヤルの組み合わせにより、コストが高くなっているのだ。しかしレッドアローは完売しており、この作品に職人技が盛り込まれていることから、このリリースを問題なく売り切るだけのミネルバファンがいるのではないかと思う。

基本情報
ブランド: モンブラン(Montblanc)
モデル名: 1858 ミネルバ モノプッシャー クロノグラフ “ブルーアロー” P.05 コレクティブ・ホロロジー(1858 Minerva Monopusher Chronograph "Blue Arrow" P.05 for Collective Horology)

直径: 42mm
厚さ: 12.5mm
ラグからラグまで: 51.5mm
ケース素材: ステンレススティール、18Kホワイトゴールド製両方向回転ベゼル
文字盤: ラッカー仕上げ、ストップウォッチにインスパイアされたカラーパレット
インデックス: プリントされたテレメーター(外側)とタキメーター(内側)スケール
防水性能: 30m
ストラップ/ブレスレット: ストップウォッチの持ち運びに使われていたコードからインスピレーションを得た、ブラックテキスタイルストラップ

モンブラン 1858 ミネルバ モノプッシャー クロノグラフ
ムーブメント情報
キャリバー: MB M13.21(コラムホイール式)
機能: 時・分・スモールセコンド、クロノグラフ(30分積算計)
直径: 29.5mm
パワーリザーブ: 約60時間
巻き上げ方式: 手巻き
振動数: 1万8800振動/時
追加情報: 中央にサーマルブルー仕上げのクロノグラフ秒針と積算計針、フィリップス曲線を描くチラねじテンプ、デビルズテイルブリッジ

価格 & 発売時期
価格: 3万4500ドル(日本円で約515万円)

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