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2025年12月22日

タフネスと経年変化を両立:ボール エンジニアーズ 青銅モデル

ツールウォッチ界の雄であるボールウォッチ(Ball Watch)。1891年の創業以来、時計本来の「道具としての正確さ」を追求し続けてきました。創業と同じ年に制定された「公式鉄道時計(RR Standard)」の基準は、かつてのスイス天文台(COSC)認定よりもさらに厳しいものでした。
今回ご紹介するこのブロンズ(青銅)モデルは、そんなボールのタフネスなDNAに、ヴィンテージならではの「味わい」を融合させた、誠に興味深い1本です。
青銅という素材の選択
ケースにはブロンズ合金が採用されています。この素材の最大の魅力は、その「経年変化」にあります。
温度や湿度、そしてオーナーの汗など、環境や着用習慣に応じて、ブロンズは徐々に酸化し、「緑青(パティナ)」と呼ばれる独特の風合いを帯びていきます。
その変化は均一ではなく、深浅や分布に個性が生まれます。つまり、時が経つにつれて、この腕時計は世界にたった1つだけの「自分専用の顔」へと変貌していくのです。これは大量生産品には決して真似できない、アンティーク素材ならではのロマンです。
外観のディテール
ケースフィニッシュ: ケースサイドは力強いヘアライン(ブラッシュ)仕上げ。光の反射がシャープで、重厚感の中に現代的なスポーティさを併せ持っています。
リューズ: ケース同様にブロンズ製のリューズには、ボールのブランドロゴが刻印されています。このロゴの彫り具合にも、良い味わいがあります。
視認性を極めた文字盤
文字盤は、ブロンズとの相性抜群のダークグリーン(墨绿色)。
一見すると高級ブランドのパイロットウォッチを連想させる風格がありますが、そのコストパフォーマンスは群を抜いています。
アメリカ空軍パイロットマーク: 文字盤下部には、アメリカ空軍のパイロットを象徴するエンブレムが配置。これにより、どこかミリタリーな「ハードボイルド」な雰囲気が漂います。
スペック表示: 「2500 GAUSS」「80 HOUR」「CHRONOMETER」といった、ボールらしい直球勝負のスペック表示。装飾ではなく「性能」で語る、工具としての品格がここにあります。
夜光技術:自発光マイクロガスライト
ボールの真骨頂である「自発光マイクロガスライト(トリチウム管)」は、このモデルにも惜しげもなく投入されています。
原理: ガラス管内部のトリチウムガスが蛍光体と反応することで、電池不要・外部光源不要で常に明るく発光し続けます。
視認性: 通常のルミエスセント塗料とは次元が異なり、暗所での視認性は抜群です。
12時位置のアクセント: 特に12時位置のインデックスはオレンジ色のガス管が使用されており、暗闇の中でも瞬時に12時を認識でき、実用性の高さを伺わせます。
秒針の細工: 秒針の先端には、さりげなくボールのロゴが刻印されています。針が回転するたびにロゴがキラリと光る、遊び心のあるディテールです。
鉄壁のスペック:RRM7309-CS
このモデルが内蔵するのは、ボール自社製ムーブメント「Cal. RRM7309-CS」です。
表格 
項目
スペック
備考
振動数
28,800振動/時間
標準的な自動巻き
動力
80時間
週末を挟んでも動く安心感
耐磁性
2,500ガウス
スマホやPCなどの磁気に強い
認定
スイス天文台認定 (COSC)
高精度を保証
フィニッシュについて:
ムーブメントの装飾も見逃せません。自動車のエンジンヘッドを連想させる魚鱗紋(ギョリンモン)、放射状ジュネーブ縞(ストライプ)、直線縞など、複数の異なるフィニッシュが施されています。また、自動盤(ローター)にはブランドロゴが彫られ、眺める角度によって表情を変える美しい造りとなっています。
サイズ感とブレスレット
サイズ: 43mm径 × 13.5mm厚。43mmというサイズは、近年のスポーツウォッチの中ではスタンダード。しかし、ブロンズ特有の重みと13.5mmの厚みが相まって、腕元に確かなボリューム感と「男らしさ」を演出します。
ただし、手首の細い方にはやや大きく感じるかもしれません。
重量: 約100g。ブロンズ製でありながら、この重量は実に軽快。日常の仕事着やジャケットの袖口から覗かせても、邪魔にならない絶妙なバランスです。
ストラップ: 付属するはブラウンのエンビーアン(ヴィンテージ加工)レザーストラップ。ブロンズの色合いと見事にマッチしており、まるで昔から使っていたかのような、「渋さ」を即座に演出してくれます。

まとめ
このボール エンジニアーズ ブロンズモデルは、決して「派手さ」で勝負しているわけではありません。
タフネス: 2,500ガウスの耐磁性、COSC認定の精度。
実用性: 80時間のパワーリザーブ、暗闇でも視えるガスライト。
味わい: 時間を経て変化するブロンズの風合い。
「道具」としての本質を徹底的に追求しつつ、その外見は紳士的な風格を備えています。ブロンズ特有の「錆」を愛でるアンティーク好きの方、そして「頼れる相棒」を求めているハードユーズユーザーの方。この2つの相反する欲求を、見事に一つの時計で叶えてくれる、コストパフォーマンスの塊がこの時計です。

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