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カテゴリー: スーパーコピー時計

ラドー、カーヴィーな80年代の名作であるアナトムの40周年記念モデルを発表。

数々のユニークなシェイプの腕時計にセラミックを採用し、“マスター・オブ・マテリアル”の異名を持つラドーが、マイアミで80年代に活躍していた腕時計の復活を発表した。その名もアナトムである。

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 2023年に蘇ったカーブを描くレクタンギュラーウォッチは、1983年に発表された初代アナトムにオマージュを捧げながらも、現代のラドーのデザインコードを用いることでまったく新しいバリエーションとして生み出された。私はこの発表のためにマイアミを訪れ、ブランドのCEOであるエイドリアン・ボシャール(エイドリアン・ボシャール)と少し話をしたのち、アナトムの遺産についてもう少し深く掘り下げる機会を得た。前日の夜に行われた小さなイベントで、彼は80年代の当時のアナトムを取り出し、間もなく発表される新作について簡単に語った。ブレスレットにツートンカラーのを乗せた、とてもクールで(文句なく)小さな時計だ。

 アナトムがいかに特別なモデルであったかは(ヴィンテージウォッチを見れば一目瞭然だが)、カーブしたケースと凸型のサファイアクリスタルが雄弁に語ってくれる。そして、ケースからインダストリアルなブレスレットへとシームレスにつながるデザイン。パッケージ全体がまさにラドーを象徴しており、モダンな時計製造に向けられたブランドの情熱が表現されている。

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 しかし、1983年に発表されたアナトムでさえも、同ブランドが築き上げてきたレクタンギュラーウォッチの伝統を受け継ぐモデルである。1960年代のマンハッタンから80年代のダイヤスター エグゼクティブまで、アナトムの誕生には20年以上の準備期間のようなものがあった。アナトムの発売からも、ラドーはシントラ、セラミカ、インテグラル、そして2020年のトゥルースクエアに至るまで、長年にわたってこのケースシェイプに深い愛情を注ぎ続けてきた。

 さて、2020年はブランドにとって重要な意味を持つ。というのも、ボシャールが(サーチナでの輝かしい在任期間を経て)CEOに就任した年だからだ。先日、ボシャールはラドーのプロダクトチームとの初めてのミーティングについて少し話をしてくれた。その時に彼は、ラドーが将来リリースするモデルのひとつとしてアナトムに照準を定めたのだという。かつてのアナトムはスティール製だったが、このモデルの基本方針は、ブランドのモダンなアイデンティティを尊重しつつも、素材にセラミックを採用するというものであった。このシェイプとフォルムを持つ時計をセラミックで作るのは、かなり困難であったことは想像に難くない。

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 そして今日、初代ダイヤスター アナトムの発表から40年を記念して、セラミック製の本モデルが発表された。この時計は、素材に熟達したブランドが生み出した最先端の進化であり、これまでにない新たな形で過去へのオマージュを表現している。過去との直接的なつながりにこだわるのではなく、バックミラーを覗いてウインクしながら、正真正銘のヘリテージを備えた真のモダンウォッチを創造することに重きを置いているのである。

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 オリジナルのダイヤスター アナトムから、現代的なトレンドに合わせて変更された点として、まずケースサイズが幅28mmから32.5mmに拡大されたことが挙げられる。ひと回り大きくなったものの、まだまだ控えめなサイズだ。ベゼルはマットブラックのセラミックだが、全体的な設計はシリンダー型のサファイアクリスタルと同じ曲線をとっている。

 オリジナルモデルではダイヤルに水平方向のストライプが施され、ブレスレットのラインと調和していた。今回の新作では、セラミック製ではなくラバーのストラップが採用されている(もっとも、このモデル用のセラミック製ブレスレットも製作中であることは間違いない)。ダイヤルは水平方向にサテン仕上げが施されており、ブルー、コニャック、グリーンの3色のスモーク加工が施されている。そして12時位置には、ラドーのシグネチャーであるアンカーが配されている(オリジナルには見られなかったものだ)。

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 ケースの全体的な構成として、ベゼルトップは前述のマットセラミック、ミッドケースはブラックPVDスティール製となっており、そしてスティールのスケルトンケースバックからはアナトムが1983年に搭載していたクオーツキャリバーとは異なる自動巻きムーブメントを見ることができる。このムーブメントは6時位置にデイト窓を備え、72時間のパワーリザーブを誇るラドーの自動巻きキャリバーR766である。

 アナトムのローンチ時に発表された3色のスタンダードカラーに加え、ラドーはブラックラッカー仕上げのポリッシュダイヤルと、11個のバゲットダイヤモンドからなるインデックス、そしてブラックダイヤルを背景にロジウムカラーのムービングアンカーモチーフを配した40本の特別限定モデルであるJubilé (日本での展開は未定)も発表する。

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 さて、この発表について私はどう思っているだろうか? デザインと美観という点では私の好みとちょっと違うかもしれないが、これはこれで素晴らしい。1983年のバージョンを目にし、デザインの歴史を理解したことで、40周年記念にフルモダンの外観を採用したブランドの確固たる意志に感銘を受けた。正直なところ、ラドーについて考えるときに頭に浮かぶのは次の3つの要素だ。キャプテン クック、スクエア、そしてセラミック。この3つのうちふたつは、今作でもカバーされている。

 私は昔から湾曲したレクタンギュラーケースが好きだし、この新しいアナトムは1980年代のオリジナルに必要以上に引っ張られることなく、21世紀らしいモダンなデザインを完璧に表現していると思う。この時計のオールメタル仕様を製作するのは簡単だっただろうが、今日の時計市場にはすでに多くの類似品が出回っている。

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 ラバーストラップがマットなセラミックケースとどのようにマッチするのか、腕につけて確かめてみるのが楽しみだ。着用感、視認性、そして総合的な感想については、近いうちにHands-Onで報告したいと思う。以上、マイアミより。

基本情報
ブランド: ラドー(Rado)
モデル名: アナトム(Anatom)
型番: R10202319(グリーン)、R10202209(ブルー)、R10202309(コニャック)

直径: 32.5mm(縦46.3mm、厚さ11.3mm)
ケース素材: マットブラックのハイテクセラミック製ベゼル、ブラックPVD加工を施したサンドブラスト仕上げのステンレススティール製ミドルパーツ、マットブラックのハイテクセラミック製リューズ、ステンレススティール製ケースバック、サファイアクリスタルのシースルーバック
文字盤色: ブラックにグリーン、ブルー、コニャックのグラデーション
インデックス: アプライド
夜光: あり
防水性能: 50m
ストラップ/ブレスレット: ラバーストラップ

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ムーブメント情報
キャリバー: ラドー キャリバーR766
機能: 時・分・秒表示、デイト表示
パワーリザーブ: 72時間
巻き上げ方式: 自動巻き
石数: 21

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価格 & 発売時期
価格: 52万9100円(税込)
発売時期: HODINKEE Shopにて購入可能(日本では2024年上旬に発売)
限定: Jubiléのみ40本限定(Jubiléは日本での発売は未定)

カルティエから発表された新作はデザイン的に秀でたものが多かった。

モザイク模様のダイヤルを持ったタンクや現代解釈を経て待望の復活を遂げたタンク ノルマル。同社としても初めてストーンインデックスを用いたサントス デュモンのXLモデル、僕もその栄冠を手にしたタンク サントレなどなど…、どれを選んでも近年のカルティエを体現するアイコニックモデルたちが揃っている。

 それらを抑えて、個人的に最も意欲的に映った時計は、実はサントス デュモンのスケルトンモデルだった。そう、あのマイクロローターを備えた1本だ。カルティエは、近年増えているスケルトンウォッチの先鞭をつけたメゾンであることはかつて執筆した記事で述べたが、ムーブメントまで含めたデザインという意味で本作は抜きん出ている。それだけに、実際につける際にその個性をうまくなじませるにはどうしたらよいか。もちろん、何も考えずにつけても素敵なのだが、本人の個性とミックスさせてより輝かせる3つのスタイルをスタイリストの石川英治さんとともに考えてみた。

1 ブラウントーンのコートルック

ダブル ラグランコート22万円、ニット15万4000円、パンツ5万5000円(すべてリングヂャケット)、シューズ(スタイリスト私物)

1つめはこのシーズンらしいスタイリング。このコートルックでテーマとしたのは、SS素材でソリッドな印象の時計とネイビーストラップをフィーチャーしつつもなじむような、背景となるコーディネートだ。タートルネックにレザーベルトの時計は好相性の組み合わせだが、敢えて個性を加えるならハイゲージではなくミドルゲージの少し織り目の荒いニットを選ぶこと。上品なクロコレザーのストラップとギャップが生まれる上、ざっくりとしたニットの質感が個性的なスケルトンダイヤルを悪目立ちさせることなく調和が取れる。

 さて、このニットを軸にしながら、その他のアイテムは若干質感をずらして品よくまとめすぎないようにしたい。洒落て見えるカギは、「本人らしく」「敢えて選んでいるか」どうかなので、例えばスーツのように上下あつらえたような印象になるアイテムを選ぶと、見る人の想像を超えることはなくフィックスされたイメージどおりのスタイリングになることがほとんどだ(ビジネスやフォーマルはこのイメージをしっかり踏襲するのが正解だ)。


 このルックの場合、ミドルゲージのニットにダークブラウンのウールスラックスを合わせ、コートには柔らかなドレープが現れ、ほんのり光沢感を放つウール×シルクの素材をセレクト。それぞれ若干素材感をずらしながら、ベージュ・ブラウン系のトーンでまとめている。

 さらに工夫するとすれば足元だが、同じ色味ながら敢えて少しラギッドなブーツを選択している。シューズにボリュームをもたせるのがいまのトレンドでもあるので旬度をプラスする意図があるのだが、もし手持ちでないようなら同系色のローファーなどに素材感や色味のあるソックスを合わせてもいいだろう。

2 カジュアルダウンしたセットアップコーデ

スーツ25万3000円、ニット4万2900円(すべてリングヂャケット)、キャップ、シューズ(スタイリスト私物)

9mm厚と非常に薄型のサントス デュモンはスーツスタイルにもよく馴染む。ただ、タイドアップしたビジネススタイルというよりは、より寛いだ印象がこの時計の雰囲気にはマッチするだろう。このルックではニット素材のロングポロシャツと少しチャンキーなローファーでカジュアルダウンのベースを整えた。さらに、パリジャンなどの海外スナップを思わせるアイテムとして、キャップを加えることで時計の個性に負けないテイストをプラスしている。

「いくらなんでもスーツにキャップ…?」こういう声が聞こえてきそうだ。もちろん、これは上級テクニックで、ボリュームのあるシューズとバランスを取ってキャップというカジュアルなアイテムを加えた結果だったりする(それとは別に、旬なMoMAとのコラボヤンキースキャップというのもポイント)。より取り入れやすいテイストだと、ハイカットスニーカーにタイトなニットビーニーとかでもいいかもしれない。


 1つ、外してはいけないのがスーツのセレクト。このリングヂャケットのグレースーツは段返りの3ボタン、かつパッチポケットというディテールが堅過ぎずに程よくカジュアルだ。もちろんタイドアップして使えるスーツではあるものの、上下バラして使えるようなセットアップに近いデザインが特徴だ。少し表面がざらついた風合いのウール・コットン素材がその個性の正体だ。なお、この手のスーツをカジュアルダウンする場合、パンツの裾は基本的にはダブルの仕立てにしておけば間違いがない。

 グレーとネイビーは鉄板のマッチングを誇るため(このサントス デュモン自体がそうであるように)、時計とスーツ、キャップまで含めたカラーコーディネートを、グレーをベースにネイビーをアクセントとしてまとめたルックとなった。

3 アップデートしたレザースタイル

レザージャケット35万2000円、シャツ4万2900円、パンツ6万6000円、タイ3万3000円(すべてリングヂャケット)、スニーカー(スタイリスト私物)

レザージャケットとグレースラックスというコーディネートは個人的に好きで、ほぼ主観によって今回の3ルックに加えさせてもらった。ひと昔前は、かなりタイトなダブル仕立てのレザーライダースにテーパードの効いたグレースラックスを合わせるのが定番だったが、昨今のリラックスした雰囲気を取り入れて少しアップデートをしている。

 シングルタイプのレザージャケットは、上品なラムレザー製。リングヂャケットがナポリの工房で仕立てたもので、ハンド風のステッチが同色のマットな質感のレザーに程よく表情を加えている。このジャケットが時計好きに刺さるのは、カフスの裏にシープスエードが配されていて、時計に干渉する際にも安心感があるところにもあるかなと思う。


サントス デュモン
Ref.CRWHSA0032 469万9200円(税込) SSケース、LMサイズ(縦43.5×横31.4mm)、8m厚。自動巻きCal.9629 MC搭載、2万5200振動/時、約46時間パワーリザーブ。日常生活防水。

 グレースラックスはというと、ルックのように若干足元に“溜める”ようにして履くのがいまの気分だ。モデルはキャンバススニーカーに合わせつつ、2クッションと少しほど溜めているが、一般的な体型の方であれば1.5クッションくらいにして、なおシューズも少しボリュームのあるものを選ぶとバランスが取りやすいと思う。

 なお、さらなるテイストとしては、少し緩く結んだタイで抜け感をプラスしているが、正直さじ加減が難しいと思うので、同色のタートルネックや少しオーバーサイズのシャツなどに置き換えてもこなれて見えるだろう。細部までデザインが入ったサントス デュモンのような時計をよりよく見せるならば、やはり「敢えて」サイズ感や素材感を選びぬいたようなテイストを加えることを試してみたい。

関連商品:https://www.jpan007.com/brands-category-b-19.html

タグ・ホイヤーが、ソーラーパワーで動く“ソーラーグラフ”の最新モデルを発表した。

2022年のアクアレーサー 200 ソーラーグラフ 40mmの発売と、2023年の魅力あふれるチタン製40mmモデルの発売に続き、タグ・ホイヤーはLVMHウォッチウィークで中型サイズのアクアレーサー プロフェッショナル 200 ソーラーグラフを5バージョン発表した。いずれもスティール製ケースで、それにマッチするブレスレットがセットされている。

 ケース径34mm、厚さ9.7mm、ラグからラグまでが40.6mmの新しいソーラーグラフは、クラシックなブルー、タグの“ポーラーブルー”(海の泡のようなカラーリング)、マザー オブ パールの文字盤を備えた3つのバージョンから選ぶことができる。MOPのトリオには、従来のロジウムインデックス、ダイヤモンドインデックス、ダイヤモンドインデックスとダイヤモンドベゼルを備えたモデルがある。

Tag heuer solargraph 34mm
 従来のソーラーグラフ 40mmと同様に、新しい34mmモデルには、ラ・ジュー・ペレが開発したタグ・ホイヤー独自のソーラームーブメントを採用。このムーブメントはTH50-01と呼ばれ、3針の時刻と日付表示、最大10カ月のパワーリザーブを備えている。アクアレーサーの名にふさわしく、サファイアクリスタル風防、逆回転防止ベゼル、ねじ込み式リューズ、200mの防水性を確保している。

 価格は、ブルー&ポーラーブルーダイヤルともに26万9500円。ソーラーグラフ初となるマザー オブ パールだと価格が上がり、従来のダイヤルが29万7000円だ。ダイヤモンドも欲しいって? ダイヤモンドがインデックスにセットされたものは37万4000円、そこにダイヤモンドベゼルを追加すると62万7000円(すべて税込)になる。

我々の考え
34mmは自身の手首には少し小さいと思うかもしれないが、それほど驚くことではない(チタン製のソーラーグラフ 40mmのほうが似合いそうだ)。ただこれはタグ・ホイヤーの素晴らしい行動だと思う。高スペックの小ぶり(37 mm以下)ダイバーズウォッチの選択肢は限られている。タグ・ホイヤーはクォーツムーブメントを含め、日常使いのスポーツウォッチを小ぶりサイズで製造してきた長い歴史がある。

Tag heuer solargraph 34mm
Tag heuer solargraph 34mm
Tag heuer solargraph 34mm
 かつてドクサが小ぶりダイバーズを製造していたし、シチズンは現在でも製造している。そして今では、特にマザー オブ パールやダイヤモンドに特別な価値を見出す購入者がいれば、タグ・ホイヤーとの競争が激化している。

 確かに、34mmの自然なセグメントは女性になると思うが、この34mmはマーク(・カウズラリッチ)の手首に装着しても極端に小さくは見えなかった(彼はこの記事のために写真を撮り下ろした)。もし40mmのソーラーグラフが手首に対して少し大きいと感じた人は、34mmケースのほうがいい解決策かもしれない(チタンからSSに変わっても問題なければ)。

Tag heuer solargraph 34mm
 新しいソーラーグラフ 34mmは、LVMHウォッチウィークで発表されたほかのモデルほど派手ではないかもしれないが、クールなブルーダイヤルモデルはどちらも25万円を少し超える程度の価格であり、細い手首にフィットする負担のかからないダイバーズウォッチを探す現実主義者の購入者にとっては魅力的な製品である。

基本情報
ブランド: タグ・ホイヤー(TAG Heuer)
モデル名: アクアレーサー プロフェッショナル 200 ソーラーグラフ(Aquaracer Professional 200 Solargraph)
型番: WBP1311.BA0005(ブルーダイヤル)、WBP1315.BA0005(ポーラーブルー)、WBP1312.BA0005(MOP)、WBP1313.BA0005(MOPとダイヤモンドインデックス)、WBP1314.BA0005(MOPとダイヤモンドインデックス&ベゼル)

直径: 34mm
厚さ:9.7mm
ラグからラグまで: 40.6mm
ケース素材: ステンレススティール
文字盤: ブルー、ポーラーブルー、マザー オブ パール(MOP)
インデックス: ロジウムプレートのアプライドバーまたはダイヤモンド
夜光: スーパールミノバ®
防水性能: 200m
ストラップ/ブレスレット: センターリンクがポリッシュ仕上げのSS製ブレスレット(コンフォートリンクエクステンション付きダブルセーフティーフォールディングバックル)

Tag heuer solargraph 34mm
ムーブメント情報
キャリバー: TH50-01(ラ・ジュー・ペレとのコラボレーションによる独自ムーブメント)
機能: 時・分・センターセコンド、日付表示
パワーリザーブ: 約10カ月(40時間未満の充電で完了)
巻き上げ方式: ソーラー充電
クロノメーター: なし
追加情報: ソーラー駆動、5年保証

価格 & 発売時期
価格: ブルー&ポーラーブルーダイヤルともに26万9500円、従来ダイヤルのMOPが29万7000円、MOPのダイヤモンドインデックスが37万4000円、MOPのダイヤモンドインデックス&ベゼルが62万7000円(すべて税込)
発売時期: ブルーと従来ダイヤルのMOPとMOPのダイヤモンドインデックスが2024年2月、ポーラーブルーが2024年4月、MOPのダイヤモンドインデックス&ベゼルが2024年6月(すべて予定)
限定: なし

ジャガー・ルクルトは1940年代から1970年代初頭までレベルソを製造していなかった。

今では考えられないことだが、最近ではJLCがレベルソの90周年を祝い、昨年ニューヨークでユニークなリバーシブルウォッチに特化した展示会を開催した。しかし何十年ものあいだ、それはメーカーの歴史のなかでほとんど忘れ去られた存在として放置されていた。

 その状況が一変したのは、1972年に当時ジャガー・ルクルトのイタリア代理店だったジョルジオ・コルヴォ(Giorgio Corvo)がル・サンティエのメーカーを訪問したときだ。

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25年近く、ジャガー・ルクルトはレベルソを製造していなかったが、70年代に入るとこの時計の状況は一変した。

 ジョルジオの孫であり、現在はイタリアにある高級な独立系販売店、“GMTイタリア”を経営するヤーコポ・コルヴォ(Jacopo Corvo)氏はこう話す。「祖父(ジョルジオ)のコルヴォは製造メーカーに行きました」。話によると、祖父のジョルジオがメーカーの引き出しを開けた際、ジャガー・ルクルトが1948年に製造を中止して以来存在を忘れていた、200本のステイブライトスティール製(初期のステンレス合金)のレベルソケースを発見したという。

「祖父が“レベルソは必要だ”と言っていました」とコルヴォ氏は説明する。「当時、マーケットがメゾンに何かをつくってもらうよう依頼するのはごく普通のことでした」。イタリアの代理店から依頼されたオーデマ ピゲのロイヤル オークは、おそらくその最も有名な例だろう。

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1940年代の初期のレベルソで、ポロの生産が終了する前の個体。

「その場面を想像してみて欲しい」とコルヴォ氏。「1972年は完全なるクォーツショックのときです。スイスのブランドは次々と衰退し、廃業していきました。みんなクォーツ式のセイコーを買っていたのです」

 特に第2次世界大戦後、レベルソのようなレクタンギュラーウォッチは買い手の人気を失い、JLCは40年代後半に生産を停止した。しかしそれらの古いケースを発見したコルヴォはジャガー・ルクルトに、イタリアで販売したいがためにレベルソを復活させるよう働きかけ続けた。JLCは特に反転可能なレベルソケースの製造がいかに難しいかを知っていたため抵抗した。

 ジャガー・ルクルトのプロダクト&ヘリテージ・ディレクターであるマシュー・ソーレ(Matthieu Sauret)氏は、「コルヴォがイタリアに持ち帰ったケースはひとつかふたつです」と説明する。アフターサービスを請け負う時計職人や技術者を抱えていたコルヴォは彼らに仕事を振った。1年後、時計職人たちは古いレベルソケースに小さな楕円形ムーブメントのJLC製Cal.840を取り付けるムーブメントホルダーを製作した。その後、コルヴォはこの試作品をジュウ渓谷に持ち帰った。

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コルヴォ レベルソはグレーとホワイトの2種類で展開。それぞれ100本ずつ提供された。

「スイスの時計職人たちは、イタリアの時計職人が何かを発見していたのに自分たちがそれを理解していなかったことに少し腹を立てていました」とソーレ氏は言う。そこからジャガー・ルクルトはコルヴォのシステムを工業化し、ル・サンティエで発見した200個のケースを用い、レベルソを通常生産できるようにした。

 “コルヴォ レベルソ”のために、“ジャガー・ルクルト”のサインが入った美しいホワイトまたはグレーダイヤルにローマ数字という新しい文字盤もデザインされ、それぞれ100本生産された。特にローマ数字とグレーダイヤルは、ほかのレベルソとは一線を画すデザインであった。

 ヤーコポ・コルヴォ氏は、「200本のレベルソを3カ月以内にすべて販売しました」と話す。ヤーコポ氏によると、ほんの数年前までJLCの時計は年間200本ほどしか売れなかったという。またジャンニ・ヴェルサーチ(Gianni Versace)やジャンニ・アニェッリ(Gianni Agnelli)など、ミラノで最も著名なVIPの何人かがコルヴォのレベルソを購入したという伝説もある(それを証明する写真を見たことがないが)。

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40年代製のコルヴォ レベルソケースは、初期のSS合金である“ステイブライト”スティールであり、サイズは38×23mm。

 コルヴォ レベルソが成功したあと、ジャガー・ルクルトはすぐにレベルソを世界中で再デビューさせるために取り掛かる。その後コルヴォは1975年まで生産された。その後数年間、ジャガー・ルクルトはレベルソの新しいケース製造に取り組んだ。それはオリジナルよりも複雑であり、防水性も備わっていた。

 真のレベルソブーム到来は、1980年代に登場した大型のレベルソケース、“グランド タイユ”がきっかけである。

 その後、1990年代はレベルソの黄金時代となった。1991年、レベルソ誕生60周年を記念して、JLCはレベルソに初めて機能を搭載した。最初に登場したのは60 ème(60周年記念)で、パワーリザーブインジケーターと特徴的な日付表示を持つ、金無垢ムーブメントのグランド タイユ レベルソであった。

「60周年記念モデルは私のお気に入りのレベルソです。すべてを変えた1本です」とヤーコポ氏は私に語ってくれた。

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1990年代に黄金期を迎えた、コンプリケーションレベルソ6本を詰めたボックスセット。

 その後の10年間、JLCはパワーリザーブ、トゥールビヨン、ミニッツリピーター、クロノグラフ(昨年のヘリテージ レベルソ クロノグラフのベースモデル)、ジオグラフィック、パーペチュアルカレンダーという6つの“伝統的なコンプリケーション”それぞれを搭載した、6本の限定レベルソを生産した。それぞれ500本限定のこの複雑なレベルソは、特にイタリアでヒットした。

 コルヴォ氏は「イタリアは多くの時計ブランドにとって、世界最先端のマーケットであり、イタリア市場は多くのブランドが今日のような地位を築くのに役立ちました」と話す。「非常に成熟した市場だったのです。人々は1940年代から50年代にかけて、同市場で時計を収集しました。そしてそれは時間を読むためだけではなく、ファッションの一部でもありました。彼らは今日の時計コレクターの先駆者なのです」

 その間、ジャガー・ルクルトには多くの熟練時計師が在籍し、輩出をしていた。最初はフィリップ・デュフォー(Philippe Dufour)氏、そしてエリック・クドレ(Eric Coudray)氏やマックス・ブッサー(Max Büsser)氏のような伝説的な時計師が登場し、さらにギュンター・ブリュームライン(Günter Blümlein)がこの時代の大半をリードしていた。レベルソが復活したこの時代については、別の記事にする価値があるだろう。

コルヴォ レベルソ収集の現在
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(コルヴォ レベルソは)最も複雑というわけではないが、歴史的に最も重要なレベルソのひとつであることは間違いない。

長いあいだ、コレクターはコルヴォ レベルソの背景にあるストーリーを知らなかった。だが2021年、イタリアのWatch Insanityがジョルジオの息子 (ヤーコポ氏の父親)であるミシェル・コルヴォ(Michele Corvo)氏の素晴らしいインタビュー記事を掲載したことで、状況は一変した。リシュモンがジャガー・ルクルトを買収した直後、コルヴォファミリーはイタリアでの同ブランドの流通を止めて、インディーズに軸足を移し、F.P. ジュルヌ、MB&F(ブッサー氏がJLCに在籍していた頃をよく知っていた)など、彼らを初期から支えていた。

 しかし今日でもコルヴォ レベルソで検索すると、ローマ数字ダイヤルを持つコルヴォ レベルソ唯一の画像がヒットする(この記事に掲載している)。ここ数年、コルヴォファミリーやこの物語、レベルソの復活におけるこの時計の役割について言及されることなく、いくつか販売されているのを目にすることがある。

 コルヴォ レベルソ自体が過小評価されているのか判断するのは難しいが、ストーリーが過小評価されているのは間違いない。多くの人はこの時計がどんなもので、ジャガー・ルクルトの歴史にとってどれだけ重要なものなのかを知らないのだ。確かにコルヴォモデルのあと、JLCは80年代~90年代にかけてより印象的で複雑なレベルソを製造した。しかし、コルヴォはレベルソを文字どおり再生させた時計であり、これまでに200本しか生産されていないのだ。

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コルヴォ レベルソのストーリーはほとんど知られていなかった。

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2021年、イタリアからその重要性を強調する記事が出るまでは。

 実際、これらのケースの性質上(忘れてはならないのは、1940年代製のケースはステイブライトスティール製であった)、長い年月のあいだにディーラーがコルヴォダイヤルをその時代に適した文字盤と交換した可能性さえある。なお私が見た数少ないコルヴォ レベルソのシリアルは467xxxで始まっている。

 レベルソの持つアール・デコと美しいサーモン文字盤、スケルトンムーブメントを除けば、コルヴォは私のお気に入りのレベルソになる。ローマ数字文字盤は美しく、コルヴォにはほかの多くのレベルソにはないヴィンテージカルティエに匹敵する優雅さを与えている。

 しかしそれ以上に、コルヴォ レベルソのストーリーとその歴史的な重要性が、たとえブランド自身がそのアイデアに懐疑的であったとしても、私がジャガー・ルクルトウォッチのなかで最も好きな時計のひとつにしている理由なのだ。

コルヴォ レベルソの物語を語る上で協力してくれたヤーコポ・コルヴォ氏とマシュー・ソーレ氏に感謝する。

目の肥えた愛好家のなかで、静かな話題となっている時計がある。

時計師やジャーナリストなど関係者が投票を行うことから、“時計界のアカデミー賞”とも呼ばれるジュネーブ時計グランプリ(GRAND PRIX D'HORLOGERIE DE GENÈVE、以下GPHG)。時計界の最高権威とされるこのアワードには、2000スイスフラン(約34万円)以下の時計を対象とするチャレンジウォッチ部門があり、

「レイモンド・ウェイルは、時計職人であった私の祖父が、ジュネーブにて1976年に創業した独立ブランドです。ロレックス コピー創業から現在まで家族経営を守っており、私が三代目です」と語るのは、現在CEOを務めるエリー・ベルンハイム氏で、2014年に経営を引き継いだ。

レイモンド・ウェイルは、1000ドルから5000ドルという“手の届きやすい価格”を重視している。すなわち多くのユーザーが渇望する価格帯だ。世界80ヵ国に進出しており、アメリカとイギリスが主要市場。かつて行われていたバーゼルワールドではメインホールの1Fに大きなブースを構えていたことからも、スイス時計業界における地位も相当高いことがわかる。日本ではまだ“知る人ぞ知る”というポジションだったが、このミレジムによって、ついにミドルレンジの注目ブランドとして一気に名を上げそうな予感がする。

 フランス語でヴィンテージの意味を持つ「ミレジム(Millésime)」の企画がスタートしたのは、約3年前だという。「ブランドをさらに成長させるための時計を求めていました。美しく、洗練され、エレガントでちょっとレトロで、もちろん手の届きやすい価格の時計をつくりたいと考えました。掲げた条件は多いのですが、つまりは“伝統的なスイス時計”ということです」

 スタッフやデザイナーとミーティングですぐに進むべき方向性は定まり、デザインも第一案を採用した。それくらい明確なビジョンが彼のなかにあったということだが、これは親子代々受け継がれている資質のようだ。「祖父からの教えは、自分がやっていることに確信が持てない場合は、その先に成功はないということ。新しい製品を開発する際には必ずプロトタイプをつくりますが、どうしても腑に落ちないのであれば、直感を信じて立ち止まることも必要。これが祖父からの大切な教えです。父からの影響は、仕事に対する情熱ですね。父は本当に仕事中毒で、1日20時間くらい働いていましたし、土日も休まなかった。しかしそのおかげで、私は父と一緒に工場やデザイナーのところを回ることもできましたし、幼少期からバーゼルワールドに出入りできましたから」

 家族経営だからこそ、信念はぶれず情熱は受け継がれる。その結果が、このミレジムなのだろう。

レイモンド・ウェイルのミレジムコレクションにはスモールセコンドとセンターセコンド2種類のラインナップがある。(Courtesy of Raymond Weil)
 ミレジムが時計愛好家から称賛された理由は、シンプルでピュアなデザインにあるだろう。モデルは2種類あり、GPHGで賞を獲得したのがスモールセコンドタイプで、ほかにセンターセコンドタイプもある。時分秒の目盛りをそれぞれ異なるトラックに配置するデザインは「セクターダイヤル」と呼ばれており、1930年代に流行した。このレトロなムードに合わせて、ケースサイズは39.5mm。大きすぎず、さりとて小さくもないという絶妙なサイズ感にまとめた。



 ダイヤルはかなり複雑な構成になっており、スモールセコンドから外側に行くにつれて段階的に高さが上がっていく。そして最も外側のミニッツトラックは外に向かって傾斜をつくる。それぞれのセクターごとに仕上げを変えているので、同トーンの配色であっても美しいハーモニーが生まれている。

 風防はボックスガラスになっており、ケースサイドは鏡面仕上げと繊細な筋目模様の組み合わせを取り入れた。ラグもすらりと長くデザインされており、全体のプロポーションも美しい。ケースの厚みはスモールセコンドモデルが10.25mmで、センターセコンドは9.25mmと十分に薄型といえるだろう。搭載ムーブメントは、セリタベースのCal.RW4251となる。仔細に見れば見るほど支払ったプライスに対して多くのものが得られるように感じる。

 「私たちの価格ポジショニングは1000ドルから5000ドルです。自分たちをもっと上のプライスゾーンであるかのように偽ることはしません。私たちは私たちなのです。そして、だからこそ持っているノウハウがあります。何をどのくらいで開発することができるのか。レイモンド・ウェイルは、常にこの価格帯で実現できる最高のものを目指しています。これも成功の理由のひとつだと思います」

Courtesy of Raymond Weil
 2023年のGPHGにて、チャレンジウォッチ部門を受賞したことは、エリー・ベルンハイム氏にとっても大きなターニングポイントとなった。「受賞が決まった瞬間は、会社やチーム、そしてすべてサプライヤーへの感謝の気持ちでいっぱいでした。それと同時にやってきたことに間違いがなかったという確信も得られました。私は2014年からCEOに就任しましたが、いつだって一貫性を強く信じてきました。そのひとつが、手の届きやすい価格で洗練された時計をつくることであり、ミレジムの成功が、自分たちのビジョンが正しかったという証明になるでしょう」

 しかしこの成功に、安住することはない。「レイモンド・ウェイルは、まもなく創立50周年を迎えます。50年というのは、時計業界ではまだ“若い”とされますが、人間でいえばマチュアな年齢。成熟した魅力も必要です。そういうタイミングで、ミレジムをリリースできたことは喜ばしいこと。ミレジム・コレクションは、おそらく私たちのブランドの足跡を記すに最高の方法だと思います」

 そして50年、100年と会社が続いていくことを願う。「会社の独立性を保ち続けること。そしていつか四代目にバトンを渡すこと。それが私にとっての最終目標になるでしょう。私は野心家ですが、会社が急成長することは好みません。時計業界に革命を起こすことなど考えていませんし、ゆっくりと成長すればいいのです」
 ファミリービジネスの良さは、地に足の着いたやり方で時計作りを進めていけることにある。レイモンド・ウェイルはミレジムの成功によって、愛好家から注目を集める存在になった。しかしその成功体験に奢ることなく歩みを進める。「今年のWatches & Wondersにも期待してください」と笑うエリー・ベルンハイム氏は、確かな自信をにじませていた。

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