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カテゴリー: スーパーコピー時計

オリススーパーコピーが9年間で10個目に開発した自社製キャリバーを搭載しで登場

オリス ビッグクラウン キャリバー473、新しい自社製ムーブメントと馴染みのあるパッケージで登場。

1938年に発表されたオリス ビッグクラウン ポインターデイトは、シンプルで無駄のないデザインで、身につけやすく、小学校の黒板を思わせる白いアラビア数字の視認性の高い時計だ。最大の特徴は、特許を取得した視認性の高いポインターデイト(このモデルでは赤だが、オレンジや黒のモデルもある。例えば、ロベルト・クレメンテ リミテッドエディションではピッツバーグ・パイレーツへのオマージュとしてポインターがゴールドになっていた)。オリスは高品質でありながらリーズナブルな価格で知られているが、このポインターデイト表示は実質がスタイルとなるオリスの真骨頂のようなものだ。

 ビッグクラウンという名は、パイロットが手袋をしたままでも簡単に操作できるように、市販薬のアドビルやザナックスと同じくらいの大きなリューズを備えていることから付けられた(ところで、時計産業がパイロットのことを考えるのと同じくらい、他の業界のことも考えてほしいと思う人はいるだろうか? 例えば500本のパイロットウォッチに1本でもライターズ(物書き向けの)ウォッチがあるといいのだけど。奇数のインデックスにはスナック、偶数のインデックスには昼寝と書かせるとか?)。
 最近の歴史(1950年代から2000年代)では、オリスはビッグクラウンにセリタ社やETA社のムーブメントを搭載していた。2014年、オリスはブランドの魅力と誠実さを守るため、10年がかりで自社製ムーブメントの製造に着手したのだ。

この時計が若かりし頃の姿はこんな感じだった。
 ビッグクラウン キャリバー473は、この9年間で10個目のムーブメントとなる。最初のCal.110は、主にプロパイロットコレクションのようなモデルで見られ、またいくつかのアートリエコレクションでも見ることができる。オリス初の自社製スケルトンムーブメントであるCal.115は2019年に登場し、彼らはまだそれを製造しており、あなたが手に入れることを祈っている。2020年にオリスはこのシリーズ初の自動巻きCal.400を発表し、アクイスラインはこれを最初に搭載するモデルとなった。
 そして2021年、オリスは同じく自動巻きの403ムーブメントを搭載したビッグクラウン ポインターデイトを作った。時間はかかったが、このオリスのアイコンに、ついに初のビッグボーイムーブメントが搭載されたのだ。それはとてもエキサイティングなことだった(詳細は記事「オリス ビッグクラウン ポインターデイト キャリバー403」参照)。このCal.473は、その時計に非常に近いモデルである。

 サイズも38mmで、6時位置のスモールセコンドダイヤル、サテン仕上げのステンレススティール製のなだらかなラグ、ペンシル針が特徴だ。インデックスは403と同じフォントで、これまでのモデルとは異なる。また、ポインターデイトの伝統であるフルーテッドベゼルはなく、スムースベゼルが採用されている。共通点は、どちらの文字盤もブルーで、赤いポインターがついていることだが、473のブルーは403のものとは全く異なる色合いとなっている。このモデルには、時計とムーブメントの10年保証つき。10年間メンテナンス不要というわけだ。
 違いを紹介しよう。手巻きのためローターがなく、サファイアケースバックの下に5日間のパワーリザーブインジケーターが確認できる。403はブラックのレザーストラップだが、こちらはダスキーブラウンのディアスキン(鹿革)だ。ダークブルーのダイヤルにはブラック、明るいブルーにはタンがよく似合うため、見た目的にも理にかなっている。また、このモデルはオリスにとって初めてとなる複雑なクラスプを採用している。
我々が思うこと
クラスプから始めるのは変だと思われるかもしれないが、私はHODINKEEマガジン Vol.11でバタフライクラスプについて記事を書いたという意味で、その専門家だと自負している。マガジンでも述べたが、バタフライクラスプは留め具や調整が難しくかさばる傾向があり、一般的には最悪だという苦言を呈したのだが、オリスのこれについては非常に優れていることを認めざるを得ない。
 レザーは丈夫だが厚すぎないため、金具のなかで簡単に動く。摩擦で動くため、穴が開くこともない。私の手首は16.5cmなのだが、ぴったりとフィットし、端の革の余分なループはしっかりとストラップのあまりを遊革に留めることができた。あまりが多すぎる時計もあるが、この時計はそうではないのでありがたい。

 ライトブルーのラッカー文字盤にホワイトのアラビア数字を配したこのモデルは、パステル調でもパウダー調でもない、まさに鋼のような質感をもつライトブルーダイヤルだ。
 38mmと控えめなサイズのため、手首の小さい方にも適しているが、個人的には手首の上で少し高さがでるように感じた。とはいえ、私は最近ブルガリのオクト フィニッシモをつけているため、この時計が厚すぎると判断するのは、ゴアテックスのレインコートに慣れた後にワックスキャンバス生地のものを見て判断しているようなものかもしれない。オリスはスリムでシックであるために作られたのではなく、堅実で信頼できるものとして作られたのだ。
 時計に携わる人間である私たちは、多くの人がオリスを見て、なぜこの人はタイメックスを買わなかったのだろうと思うことを忘れているような気がする。オリスが好きな人もいれば、つまらないと思っている人もいて、オルビス(アヒルのアイコンでよく知られるアウトドアウェアのカタログ)と混同している人もいるのは、この時計がそういうことなのだろう。オリスの長所は短所でもある。パッと見ただけでは、この時計が特別なものだとはわかりにくいのだ。この時計が特別なものであることを知るには、よく観察する必要がある。
 今までオリスを手にとったことがなかった私は、この文章を始め、この特別な時計やオリスについて読み、UPSの配達員が雨のなか実際の時計を持って私の家のドアまで来るのを待ちながら、この時計は見た目は良いけれど、コネチカットからずっと一人で歩いてきても丈夫そうだと思った。63万8000円(税込)の価値は頑丈で信頼できるものがどのように見えるか、ワクワクしていた。無理に人の目を引こうとしたり、いろいろな仕掛けを施したりしていない、間近で見る時計はどんな感じなんだろう? 手にしたとき、腕にはめたとき、どんな感じなのかだろうかと。

 
 手にしてわかった答えは3つ。「ベリーグッド」だ。ダイヤルのブルーとストラップのタンが絶妙にマッチしており、どちらもホワイトの数字の色とシンプルさが合っている。リューズと文字盤にオリスと書かれているので、バックルのオリスはなくてもよかったかもしれないけれど、別に気にならない程度だ。ストラップの端にあるオフホワイトのステッチの「V」と、その裏側にある鹿革を調達しているチェルボ ヴォランテ社(Cervo Volante)のロゴであるクワガタがエンボス加工されているのも気に入った。
 ムーブメントは非常に静かで、巻くときもスムーズ。やり方が悪いのかと思ったが、パワーリザーブ計を見ると、いや、確かに時計学校で2回も言われた通り、ゼンマイにエネルギーをしっかりと伝達していた。

 パワーリザーブの青い針は、時計のほかの部分が戦車のように感じられるほど繊細で、きれいにメッキされた巨大なラザニアに添えられた花のような印象を受けた。 確かに男性的な雰囲気がある。女性だけのピラティスマットクラスにこの時計をつけて行ったのだが、“ハンドレッド”(インナーマッスルを鍛えるエキササイズ)をしているのではなく、巨大なタラの口から針を外しているような気分になった。
 明らかに、オリスは高価なムーブメントを搭載した時計と、かなり同一の時計(ETAやセリタのムーブメントを搭載したビッグクラウン ポインターデイトが税込みで25万3000円で手に入る)を安価なムーブメントで展開しているという意味で、ここで両者の口を開いているようなものだ。私はこの件についてどう考えていいのかわからないが、幸いにもそれは問題ではない。なぜなら、彼らは自社製ムーブメントを作り続けるために量産型ムーブメントの時計を十分に売るつもりなのか、そうでないのかのどちらかだからだ。
 どちらの時計もリーズナブルだしバリューがあると思う。スーパーで買ったタイメックスを「派手なのはいらないからいいや」と思っている友人には、新しい方をプレゼントしたいと思う。この美しいソフトストラップ、完璧な色合いのブルーダイヤル、そしてクールなパワーリザーブ表示を2時間ほど見せてから、彼からこの時計を奪い取り、タイメックスを返して、オリスを返してとせがむ彼を無視するのだ。
 これはオリスの歴史の中でも特別なもので、63万8000円(税込)であなたのものにすることができる。その約半額もあれば、オリスの歴史に残る特別な一本をあなたの腕につけることだってできるのである。それは本当にあなた次第なのだ。結局のところ、あなたがそのファンシーな新型ムーブメントにいくら払えるかは、あなたと神様とオリスだけが知っているのだから。

基本情報
ブランド: オリス(Oris)
モデル名: ビッグブラウン キャリバー473(Big Crown Calibre 473)
型番: 473 7786 4065-07 5 19 22FC

直径: 38mm
厚さ: 12.7 mm
ケース素材: ステンレススチール、ケースバックにサファイアガラス
文字盤色: ブルー
夜光: インデックスと針にスーパールミノバ
防水性能: 5気圧
ストラップ/ブレスレット: オリーブブラウンのストラップは持続可能な方法で調達されたディアスキン(鹿革)を使用、オリスが開発した微調整可能なステンレススティール製バタフライクラスプつき


ムーブメント情報
キャリバー: オリス Cal.473(Oris Calibre 473)
機能: センター時分針、日付針、6時位置にスモールセコンド、裏面に120時間パワーリザーブインジケーター、ファインチューニングデバイス、ストップセコンド、ブリッジ側にパワーリザーブ表示
パワーリザーブ: 120時間
巻き上げ方式: 手巻き

価格 & 発売時期
価格:  63万8000円(税込)

関連商品:https://www.jpan007.com/brands-category-b-56.html

タグ・ホイヤーとポルシェは、2年にわたるパートナーシップを継続し、6本目の時計を発表した。

本日発表された、大胆でスポーティな新作タグ・ホイヤー カレラ クロノグラフ×ポルシェ オレンジレーシングは、タグ・ホイヤーとポルシェの2年にわたるパートナーシップを記念した6番目のタイムピースだ。

オレンジがあなたのカラーなら、この時計はあなたのニーズに応えてくれるだろう。ブラックセラミック製のタキメーターベゼルを備えたブラックDLCスティールケースに、オレンジのクロノグラフ秒針、インダイヤルの針とそのリング、アウタートラック、リューズ、さらには編み込みレザーストラップのステッチまでもが鮮明に映るからだ。タキメータースケールおよび針のホワイトの夜光は、文字盤に刻まれた5分間隔のホワイトカラーと統一。もしこの時計がどこのブランドのものであるかに疑問があるのなら、ベゼルにあるオレンジカラーをもう一度見ていただきたい。もしあなたがタキメーターで計測していて、ベゼルに従って400km以上で走っているとすれば、その速度はまさに“ポルシェ”だ。

幅44mmのケース内には、コート・ド・ジュネーブ仕上げのコラムホイール式クロノグラフムーブメント、ホイヤー キャリバー02を搭載。これはサファイアクリスタル製のシースルーバックから眺めることができる。また、正面から裏蓋側までデザインを統一すべく、黒く処理されたローターにはオレンジカラーで“Porsche”と“TAG Heuer”と書かれている。
新しいタグ・ホイヤー カレラ クロノグラフ×ポルシェ オレンジレーシングは、85万2500円(税込)ですぐに入手可能だ。
我々の考え
フェラーリ(考えるとゾッとする)か、ランボルギーニが市場で最もクールなスポーツカーだとずっと思っていたのだ。しかし、コール・ペニントン(Cole Pennington)が彼の911 タルガに乗せてくれたとき、私のクルマに対する見方は完全に変わった。その時からずっと、“ポルシェ、ポルシェ、ポルシェ”だ。そして私の夢のポルシェは素敵なディープグリーンカラーであるが、タグ・ホイヤーの最新の時計ではオレンジを推している。

この時計自体が、タグ・ホイヤーとポルシェの両者が張り合っているという関係性を示す好例だろう。両ブランドの顧客の半分は昔のヒット作を好み、そして残りの半分は、最新のテクノロジーを求めている。新しいタグ・ホイヤー カレラ クロノグラフ×ポルシェ オレンジレーシングは、COSC認定のフライバック機能を持つホイヤーキャリバー02でも、サーキット向けのスーパーカーバージョンでもないが、それでもベースラインのカレラとしては素晴らしいムーブメントであることに変わりはない。この時計は、70年近くの歴史が絡み合ったふたつのブランドへの思いを示すのに最適なデイリードライバーウォッチなのだ。

また、全体をつなぐ細かなディテールにも、デザイン上のこだわりが感じられる。オレンジのアクセントがついたストラップは心地よく装着できるうえ、レーシングデザインを彷彿とさせる“スピード感”もある。実際、オレンジのアクセントとブラックのケースの遊びは、視線を文字盤上に留め、長く眺めても身につけても楽しい時計になると思う。
唯一気になるのは、ブラックDLCスティールケースでは、汚れがすぐに付着してしまうこと。けれど愛されてきた証がなければ、いい時計、いいクルマとは言えないだろう?

基本情報
ブランド: タグ・ホイヤー(TAG Heuer)
モデル名: タグ・ホイヤー カレラ クロノグラフ × ポルシェ
オレンジレーシング(TAG Heuer Carrera Chronograph × Porsche Orange Racing)
型番: CBN2A1M.FC6526

直径: 44 mm 
厚さ: 15.2mm
ケース素材: ブラックDLCスティールケースとセラミック製タキメーター固定ベゼル、PORSCHEレタリング
文字盤色: スピードマークにインスパイアされたブラックバーチカルブラッシュド仕上げのダイヤル、オレンジのアウトライン
インデックス: ホワイトの夜光
防水性能: 100m
ストラップ/ブレスレット: ソフトタッチのテクスチャード加工ブラックカーフレザーストラップ、オレンジのライニング、ブラックDLCスティール製フォールディングクラスプ(ダブルセーフティープッシュボタン付き)

ムーブメント情報
キャリバー: キャリバー ホイヤー 02
機能: 時、分、秒表示、クロノグラフ
直径: 31mm
厚さ: 6.95mm
パワーリザーブ: 80時間
巻き上げ方式: 自動巻き
振動数: 2万8800振動/時
石数: 33
クロノメーター: なし

価格 & 発売時期
価格: 85万2500円(税込)

G-SHOCK 5周年間隔で発表される5000系のスペシャルモデル。

5周年間隔で製造される、“初号機”ことDW-5000Cを想起させるアニバーサリーモデルだ。リクリスタライズドシリーズ(RECRYSTALLIZED SERIES)と名付けられた今作は、35周年に発表されたGMW-B5000シリーズをさらに進化させたフルメタルモデル2本を含む、全3型で展開。G-SHOCKの誕生月である来月、4月21日(金)に発売を予定している。

左から、DW-5040PG、GMW-B5000PS、GMW-B5000PG。
 リクリスタライズドシリーズでは、ベースとなるSS材に複数の加工を施している。まずは、数百度もの高温で熱処理を加えることによる再結晶化処理。これにより、滑らかだった素材の表面に不規則に破片を散りばめたような結晶模様が浮かび上がる。さらに、そこへ炭素ガスを浸透させる深層硬化処理を行うことで、素材の外側に硬化層を創出。この技術は通常、産業用マシンや車のギア、およびシャフトなど強度を求められる内部パーツに用いられるものだ。そして、最後にシルバーパーツにはTIC、ゴールドパーツにはIPの表面処理をオン。最終的に今作では、元のSS素材の3倍ほどになる表面硬度を実現したという。見た目上の質感はざらついているが、実際にはスムースで滑らかな質感が楽しめる。

シルバー、ゴールドモデルのベゼルとストラップ。それぞれ、左から順に再結晶化処理に深層硬化処理、TIC/IP加工がかけられている。
 再結晶化処理によるテクスチャの恩恵を分かりやすく受けているGMW-B5000PS、GMW-B5000PGに対し、DW-5040PGではバックルと遊環、ケースバック(ブラックIP)にのみ同加工を使用した。加えて、35周年モデル(DW-5035D-1BJR)まで樹脂(レジン)製であったケースとストラップは、直近でプロトレックやG-SQUADでも採用実績があるバイオマスプラスチック製に変更がなされている。また、DW-5040PGのみの仕様として、あいだにメッシュを挟み込んだゴールド液晶を搭載。液晶周りのレンガパターンもフルメタルモデルと比較して初号機(DW-5000C)に近しいものとなっており、PROJECT TEAM "Tough”のロゴと合わせて特別感を演出している。

左下(40分位置)のボタンに刻まれたスターマークは、3型共通のディテールだ。

ケースとストラップはバイオマスプラスチック製。
 サイズはDW-5040PGが48.9×42.8×13.8mm、フルメタルモデル2型が49.3×43.2×13.0mmと、DW-5000Cに近しい数値をキープ。価格はDW-5040PGが3万8500円、メタルモデル2型が12万1000円(すべて税込)となっている。

ファースト・インプレッション
 リクリスタライズドシリーズで施されたメタルパーツへの加工について。今回、僕たちはその工程について詳細をうかがう機会に恵まれた。SSの再結晶化処理に、深層硬化処理。テキストで書くと20文字にも満たない内容をクリアして生産ラインに乗せるために、カシオは足かけ3年の開発期間を必要としたのだ。聞けば、その大半が微調整に次ぐ微調整であった。

 実は以前から、ほかのモデルで再結晶化処理は行われていた。例えば、2022年に発売された通称“勝色”モデルもそれにあたる。このときは素材はチタンで、ベゼル部分のみに同技術が使用されていた。しかし、開発チームによると、熱処理による結晶化の条件はチタンと比較してSSのほうが格段に難しかったという。加えて、チタンで実現できていたものが、熱処理の温度から、使用する治具にいたるまで何から何まで違ってくる。今回のシリーズのために、カシオは大量生産に備えた専用の治具をいちから開発する必要があった。

再結晶化による模様の出方は、1本1本異なる。
 そして、当たり前のことだが、製品化にあたっては再結晶化した粒子のサイズは全パーツで揃っていることが望ましい。ベゼル、ケース、バックルに加え、微妙にサイズが異なるメタルブレスのコマひとつひとつまで、開発チームは個別に加工条件の検証を繰り返してきた。こうして書いているだけでも気が遠くなってくるが……、カシオは40周年の4月に間に合わせるべく、地道な開発を続けたのだ。シンプルに、敬意を示したい。

 元々は樹脂で製造されていたG-SHOCKの複雑な形状をメタルで表現する。その無謀さは多くの人が繰り返し語ってきたところなので、今回は割愛する。しかし、リクリスタライズドシリーズにかけられたのは、そこから+αもβもγもするような手間だ。GMW-B5000D-1JF(シルバー)が6万6000円(税込)なのに、今回のフルメタルモデルはその倍近くもするのか、と僕も最初は思った。だが、上記の話を聞いたうえで改めて見ると、割安ささえ感じてしまう。そして、初号機のルックスでこの質感を手にできるのは(おそらく)今回のみだ。モノトーンを基調としたコンサバティブな着こなしを好む僕は十中八九、ネガ液晶のシルバーモデルを手にするべく4月は奮闘していると思う。


 本コレクションにおいて、輝かしいPROJECT TEAM ”Tough”の刻印はDW-5040PGにのみ許された。ゴールド液晶を含めてデザイン的には当然でもあり、オメガ スピードマスターのごとくオリジナルに敬意を払ってブランディングを徹底するさまには好感が持てる。発売を迎えるまで確かなことは言えないが、周年の5000系を心待ちにしていたファンを中心として、DW-5040PGは瞬殺となるはずだ。

最もファーストモデルに近いDW-5040PGにのみ、PROJECT TEAM "Tough”のロゴを使用。
 だが、僕はそのフルメタルモデルにこそ価値を見出したい。2018年のG-SHOCKのフルメタル化は、当時まだファッションメディアに在籍していた僕にとってもセンセーショナルなものであった(会社のあった恵比寿界隈では、男女の別を問わず感度が高い人々がこぞって着用していた!)。今回はカシオ側もそこまで声高ではないものの、技術開発の面で着実な進化を遂げている。実物の質感は、今記事でアップした画像とは正直大きく異なる。皆さんが今モデルを実際に手に取り、その質感の高さに驚く顔が、今から楽しみである。

基本情報
ブランド: G-SHOCK
モデル名: リクリスタライズドシリーズ(RECRYSTALLIZED SERIES)
型番: DW-5040PG(ブラック)、GMW-B5000PS(シルバー)、GMW-B5000PG(ゴールド)

直径: 48.9×42.8mm(DW-5040PG)、49.3×43.2mm(GMW-B5000PS、GMW-B5000PG)
厚さ: 13.8mm(DW-5040PG)、13mm(GMW-B5000PS、GMW-B5000PG)
ケース素材: バイオマスプラスチック(DW-5040PG)、ステンレススティール(GMW-B5000PS、GMW-B5000PG)
文字盤色: ブラック
インデックス: アプライド
夜光: あり、LEDライト
防水性能: 20気圧
ストラップ/ブレスレット:バイオマスプラスチック(DW-5040PG)、樹脂モデルのディンプルデザインを用いた、ステンレススティールブレスレット(GMW-B5000PS、GMW-B5000PG)

ムーブメント情報
キャリバー: 電池式クォーツ(DW-5040PG)、タフソーラー クォーツ(GMW-B5000PS、GMW-B5000PG)
機能: フルオートカレンダー、12/24時間制表示切替、ELバックライト(残照機能付き)、報音フラッシュ機能(アラーム/時報/タイマー連動発光)以上DW-5040PG、●アプリ「CASIO WATCHES」連携/自動時刻修正、簡単時計設定、ワールドタイム約300都市+オリジナルポイント、タイム&プレイス、リマインダー、携帯電話探索●バッテリー充電警告機能、パワーセービング機能、フルオートカレンダー、12/24時間制表示切替、操作音ON/OFF切替機能、日付表示(月/日表示入替)、曜日表示(英・西・仏・独・伊・露の6ヵ国語切替)、LEDバックライト(フルオートライト、スーパーイルミネーター、フェードイン・フェードアウト、残照機能、残照時間切替:2秒/4秒)以上GMW-B5000PS、GMW-B5000PG
パワーリザーブ: 約2年(DW-5040PG)、フル充電時からソーラー発電無しの状態で機能使用の場合 約10ヵ月、パワーセービング状態の場合 約22ヵ月(GMW-B5000PS、GMW-B5000PG)
追加情報:再生紙、再生プラスチックを使用したスペシャルボックス(全モデル共通)、アプリとのBluetooth連携(GMW-B5000PS、GMW-B5000PGのみ)

GW-5040PG用スペシャルボックス。

GMW-B5000PS、GMW-B5000PG用スペシャルボックス。

価格 & 発売時期
価格: DW-5040PG 3万8500円(税込)、GMW-B5000PS、GMW-B5000PG 12万1000円(税込)

オメガ「プラネットオーシャン」第4世代を発表~

新たなプラネットオーシャンの誕生

オメガは「プラネットオーシャン」第4世代を発表。コレクションを全体的に刷新し、3種類のウォッチヘッドと、それぞれに組み合わせ可能なブレスレットやストラップを備えた、全7モデルの新作が登場します。

 

プラネットオーシャンの進化
初代プラネットオーシャンの登場からちょうど20年。オメガの時計職人たちは、この象徴的なコレクションに再び立ち返り、現代にふさわしい全面的な刷新を施しました。
第4世代となる今回のモデルでは、ケースとブレスレットの構造に目を引く変化が加えられ、外観のデザインも一新されました。さらに、技術面でもアップデートが施され、性能と品質は最高水準に引き上げられています。

 

一方でプラネットオーシャン本来の魅力は失われていません。オメガと”オーシャン”との歴史的繋がりというDNAを受け継ぎ、ダイバーズウォッチのアイコンとなった数々の特徴的な要素も健在です。
今回の新章は、オメガのダイビングの歴史を象徴するオレンジカラーを含む、7種類の新しいコーアクシャル マスター クロノメーターモデルの発表とともに幕を開けます。

 関連商品:https://www.yokowatch.com/Omega-Watch.html

オレンジモデル– ダイアルには、マットオレンジのアラビア数字がニス仕上げで施され、新しいオレンジセラミックベゼル(ZrO2)リングには、ホワイトのハイブリッドセラミックで施されたダイビングスケールが。 ステンレススティール製ブレスレット、ブラックラバーストラップもしくは、オレンジラバーストラップバリエーション。

 

ブルーモデル– ダイアルには、マットホワイトのアラビア数字がニス仕上げで施され、ブルーセラミックベゼル(ZrO2)リングにはホワイトエナメルのダイビングスケールが。ステンレススティール製ブレスレットまたはブラックラバーストラップのバリエーション。

 

ブラックモデル– ダイアルには、ロジウム仕上げのアラビア数字が配され、ブラックセラミックベゼル(ZrO2)リングにはホワイトエナメルのダイビングスケールが。ステンレスティール製ブレスレットまたはブラックラバーストラップのバリエーション。

 

パイオニアとしての歴史
初代「シーマスター プラネットオーシャン」が誕生したのは2005年。
それから20年にわたり、このコレクションはラグジュアリー ダイバーズウォッチの象徴として、スタイルと機能性の完璧なバランスを体現し、進化するアートとパイオニア精神を示し続けてきました。


プラネットオーシャン誕生前 1932
オメガのダイビングにおける伝統は、1932年に発表された“マリーン”から始まりました。世界初の民間ダイバー向け腕時計として知られる“マリーン”は、オメガの水中での伝説の幕開けとなり、1950年代、60年代、70年代へと続いていきます。
その間に登場した「シーマスター300」、「シーマスター1000」、「プロプロフ」などの革新的なモデルは、いずれも深海での技術革新と信頼性において高く評価されました。

 

マリーンの広告(1937年)

1990年代もオメガは、ダイバーズウォッチの限界に挑み続け、「シーマスター ダイバー300M」を発表します。このモデルは、今なおブランドを代表するコレクションのひとつとして愛されています。新たなモデルを生み出すた
びに、オメガはダイビングウォッチの“マスター”としての評価を高め、世代を超えた海洋探検家、開拓者、科学者たちの信頼を獲得してきました。

左から、オメガ シーマスター(1932)、マリーン(1936)


インスピレーション  S I N C E 1957
初代プラネットオーシャンは、1950年代後半から1960年代初頭の「シーマスター300」にインスピレーションを得て誕生しました。



上からシーマスター(1963)とシーマスター広告(1965)

これにより、オメガの特徴であるダイバーズウォッチのDNAを2005年のデザインの中心に残すことができました。視認性の高いブラックダイアル、15分ごとのアラビア数字、アロー針、そしてインナーリングを備えたダイビングスケールベゼルなど、オメガならではの特徴がいかされています。


オメガ シーマスター(1976)


オメガ オートマチック シーマスター(1978)


THE 1st GENERAT ION  2005
深海での卓越性
プラネットオーシャンは、オメガのダイバーズウォッチの歴史において、もうひとつの重要な節目となりました。最大600mの深海に対応する設計は、「シーマスター ダイバー 300M」の2倍の防水性能を誇り、過酷な水中探査にも応える革新性を備えています。

リキッドメタルTMの革新
2009年、スイス製腕時計として初めてリキッドメタル™が採用されました。ブラックセラミックベゼルのダイビングスケールに使用されたこの技術は、美しさに加え、優れた耐傷性と長期的な安定性をもたらしました。長年にわたる試行錯誤の末に実現したこの革新的なアップデートは、ケースのデザインの新時代を告げるものでした。


リキッドメタル


THE 2nd GENERAT ION  2011
2011年には、プラネットオーシャン第2世代が登場します。セラミックベゼル、光沢のあるダイアル、サファイアクリスタルケースバック、そしてキャリバー8500など、注目すべきアップデートが続々と加えられました。キャリバー8500自体数年前から製造されていましたが、2011年のプラネットオーシャンに搭載されたものには、革新的なシリコン製Si14ヒゲゼンマイが採用され、耐磁性が向上しました。


オレンジセラミックの実現  2014
セラミックで理想的なオレンジ色を再現することは、技術的に非常に困難だったため、2014年まで、プラネットオーシャンのオレンジベゼルはすべてアルミニウム製でした。しかしオメガは2014年、プラチナ製「プラネットオーシャン GMT」において、ついにオレンジ セラミックベゼルの採用に成功しました。
ケースバックには“World Premiere“の文字が刻まれ、つねに革新を続けるオメガを体現する、象徴的な成果のひとつといえます。


THE 3rd GENERAT ION 2016
2016年に登場した第3世代は、コーアクシャル マスター クロノメータームーブメントを搭載し、精度・性能・耐磁性においてスイス時計業界の最高基準を満たすコレクションへと進化しました。新たなサイズ展開やスリムなケースに加え、18Kセドナ™ゴールドの初採用や、ラバーをあしらったダイビングスケール付きセラミックベゼルリングなど、外観面でも多くの革新が加えられました。同年には「プラネットオーシャン ディープ ブラック」も発表され、すべてセラミック製4モデルが登場。深海600m(60気圧)に耐える設計で、海の過酷な環境にも対応する性能を備えています。


THE ULTRA DEEP 2019
2019年に地球上で最も深い場所に到達した、革新的なウルトラディープは、2022年に新たな「プラネットオーシャン」コレクションとして、一般向けに再構築されました。実際の海洋環境でテストされたこの驚異的なダイバーズウォッチは、6,000メートルの防水性能を備え、飽和潜水用のISO 6425基準を満たしています。
また、オメガの革新精神を象徴する本モデル6本は、新素材である「O-MEGAスティール」使用しています。これは高性能なステンレススティール合金で、優れた強度、より白みのある色合い、比類なき光沢が特徴です。耐食性にも優れ、長期にわたり美しい外観を維持することができます。


新たなプラネットオーシャン
「プラネットオーシャン」第4世代が、独特の美的進化を遂げたことは明らかです。
ここからは、クラシックなデザインに、現代的なエッジさを加え、一部のモデルには2005年以来、コレクションに欠かせないオレンジカラーを採用するなど、アップデートされた第4世代の個性についてご紹介します。


THE  4th GENERATION  E V O L U T I ON
インスピレーション
2005年に登場した「プラネットオーシャン」は、1960年代の「シーマスター300」モデルからインスピレーションを受け継いでいます。第4世代では、オメガは再びシーマスターの歴史に立ち返り、1980年代~90年代のモデルを見直し、その構造コンセプトの一部を取り入れています。その結果、シャープで角ばった面を持つ、新しい“フィット感“のあるデザインに生まれ変わりました。

サイズ
新しい「プラネットオーシャン」はすべて42mmで、これは2005年の初代モデルと同じサイズです。
ケースはよりスリムになり、前面のフラットなサファイアクリスタルや、ケース全体とベゼルの洗練された設計により、従来モデルよりも平らな印象に仕上がっています。

 


第3世代の標準モデルが16.1mmの厚さだったのに対し、新モデルは13.79mmまで薄型化されています。


ブレスレット
ケース形状の変化に伴い、ブレスレットも刷新されました。ケースに美しく一体化されたデザインとなっており、フラットなリンクが連なる構造が特徴です。外側にはブラッシュ仕上げの2列、中央にはポリッシュ仕上げの1列が配置されています。

 

シーマスターの伝統を尊重しつつ、これまでよりもスリムで快適性に優れた設計となっています。6段階の調整が可能で、オメガ独自のダイバーエクステンションも搭載。ラバーストラップにはフォールディング クラスプが採用されています。

ダイアル
新しい「プラネットオーシャン」のダイアルは、すべてマットブラックとなります。アロー針や、スーパールミノヴァを充填した力強いインデックスといった象徴的な要素を継承しつつ、アラビア数字の書体に新たな変化を加えました。

 

微細な違いではありますが、数字はオープンワークで角ばった形状となり、ケースやブレスレットのシャープな印象と調和しています。これは、初代「プラネットオーシャン」にも見られたインデックスへのオマージュでもあります。
また、ダイアル上のオメガロゴはロジウム仕上げで、転写された文字はすべてホワイトです。

ケースデザイン
第4世代「プラネットオーシャン」は、構造的な視点から見ても劇的な変化を遂げています。
メインボディと内側のチタンリングからなる2パーツ構造で、全体のラインはよりシャープに、エッジはより明確に表現されています。また、新しいデザインに合わせて、20年間コレクションの特徴だったヘリウムエスケープバルブが廃止されました。

 


チタン製ケースバック
新しい「プラネットオーシャン」は、サファイアクリスタルの代わりにグレード5チタン製のねじ込み式ケースバックを採用。これにより、時計のサイズ感が洗練され、軽量化と強度向上も実現しています。ケースバックには波模様の縁取りが施され、“PLANET OCEAN” と “SEAMASTER”の刻印、防水性能の表記、そして中央にはオメガの象徴であるシーホースのエンブレムがエングレーブされています。

技術的な成功
革新とパイオニア精神を受け継ぐプラネットオーシャンの伝統は、第4世代においても揺るぎなく息づいています。随所に、オメガの先進的なデザイン哲学を物語る新たなディテールが散りばめられています。

 


チタン製インナー リング
2019年に「プラネットオーシャン ウルトラディープ」を発表した際、オメガはダイバーズウォッチ技術に関する理解を大きく深めました。
この知見は、今年の新しい「プラネットオーシャン」を含む、今後のタイムピース設計にも活かされます。
すべてのモデルのケース内側には、チタン製インナーリングが備わっており、深海での使用に耐えるために必要な素材強度を確保しています。

 

オメガは、2005年の初代「プラネットオーシャン」(および1960年代の「シーマスター300」) と同じ美的スタイルを再現したいと考えていました。これらのモデルには、ケースデザインの一部としてインナーリングが採用されていたのです。今回の技術的なデザインは、初代と同じ外観を保ちつつ、600mの防水性能に対応する機能的な役割も持たせることに成功しています。


アイコニックなオレンジカラー
オレンジは「プラネットオーシャン」のコレクションにおいて初期から象徴的なカラーとして親しまれてきました。オメガは、今年の新作を開発するにあたり、この鮮やかな色合いを引き続き、提供したいと考えました。
しかし、セラミック製ベゼルリングにオレンジを再現するのは特に難しく、化学的な特性や製造工程の複雑さから、美しく映えるオレンジを作りだすことは容易ではありませんでした。

 

オメガは特にこのコレクションのために、セラミック加工技術の完成度を高めるために時間を費やし、最終的にいくつかのモデルのベゼルに、鮮やかなオレンジの新色を施すことに成功しました。

 


マスター クロノメーター キャリバー 8912
すべてのモデルには、ウルトラディープにも搭載されているオメガ コーアクシャル マスター クロノメーター キャリバー8912が採用されています。この自動巻きムーブメントは、60時間のパワーリザーブを備え、スイス連邦計量研究所(METAS)が 認定する、精度、性能、耐磁性の最高基準を満たしています。

 

新しいシーマスター プラネットオーシャン コレクションの発売を記念し、オメガは、グレン・パウエルとアーロン・テイラー=ジョンソンをキャンペーンアンバサダーとして起用し、グローバルで展開します。

カルティエの「タンク アメリカン」が登場した。

カルティエは、1917年に誕生した同社の代表的な時計をよりモダンに、さらに斬新にアレンジさせた「タンク アメリカン」を、1988年に発表している。そして2023年、カルティエは「タンク アメリカン」にさらにアップデートを加え、少し薄く、よりスリムで曲線的なデザインとした。カルティエの多くのデザインアップデートと同様、これらの小さな変更はクラシカルなデザインに若干の、そして際立った改良をもたらすものだ。 それが「タンク」を「タンク」たらしめているのであり、1世紀以上も同じ姿であり続けている理由なのだ。

 新しい「タンク アメリカン」は、ミニ、スモール、ラージの3サイズ、素材はピンクゴールドとスティール、ダイヤモンドをあしらったホワイトゴールドの3つの金属で展開する。お好みであれば、ミニとスモールのPG製「タンク アメリカン」には、ダイヤモンド入りやブレスレットタイプもある。なお同僚のマライカがすでに取材した、ブレスレットとたくさんのダイヤモンドをあしらったミニのWGもある。

カルティエ「タンク アメリカン」のRGモデルとSSモデル
 私は44.4×24.4mm(ほかのサイズはスモールが35.4×19.4mm、ミニが28×15.2mmだ)という大きさの、SS製とPG製の「タンク アメリカン」にたくさんの時間を費やした。スモールとミニの小振りサイズはクォーツとなるが、カルティエはラージモデルに自動巻きムーブメントを搭載している。従来のアメリカンと比較した際、最も異なる違いは厚みである。新しいラージモデルの厚みは8.6mmと、先代モデルから1mm以上薄くなっている。80年代に登場したアメリカンは「タンク サントレ」を参考にしており、新しいアメリカンを薄くすることで、この歴史的なリファレンスにより寄せているのだ(たとえ100周年記念のサントレが厚さわずか6.4mmだったとしても)。

 カルティエが「タンク アメリカン」のラージモデルに自動巻きムーブメントを搭載しているのは素晴らしいことだが(そしてターゲットとなる消費者は、おそらく自動巻きの実用性を重視しているだろう)、私は手巻きの「タンク」についロマンを感じてしまうため、「実用性なんて二の次でいいからラージとスモールどちらのアメリカンにも手巻きムーブメントを搭載しよう」とカルティエに言われたら最高だっただろう。これが実現したらケースもさらに薄くなったかもしれないが、今となっては「タンク アメリカン」の服を着た「タンク サントレ」を求めるだけになってしまうかもしれない。

 そのほか、ケースやブランカード(フランス語で“担架”を意味し、タンクのケース側面が担架のハンドルに似ていることからその名がついた)の変更により、新しい「タンク アメリカン」のすべてがわずかにスリムで薄く、洗練されたものとなっている。そしてこれにより、「タンク アメリカン」は「タンク サントレ」にほんの少し近づきつつも、独自のアイデンティティを保っているのだ。以前のラージモデルは私の手首には少し大きかったのだが、今回ケースが変更されたことでより着用しやすくなった。スモールも手首にフィットしたが、ラージで「タンク アメリカン」があるべき付け方、すなわち、大き目でフィットしつつも手首もたれかかるような付け方しか考えられなかったのだ。

カルティエ「タンク アメリカン」のRGモデル
カルティエ「タンク アメリカン」のケースサイド
カルティエ「タンク アメリカン」のバックル
 新しいラージ「タンク アメリカン」のもうひとつの特筆すべき変更点は、縦にブラッシュ仕上げされた文字盤だ。スモールバージョンにはサンレイ仕上げを施しているのだが、カルティエはラージバージョンに別の文字盤処理を選んでいる。これはカルティエが今年アップデートした「タンク フランセーズ」にも取り入れたものなのだが、アメリカンの大きく長い面のほうがより効果的に表れている。時計のフォルムを際立たせる仕上げは、ここ数年のカルティエ限定モデル(例えばシンガポール ウォッチ クラブのためのコレクションのように)を彷彿とさせるようなとても素敵なデザインだ。

2019年に登場した、カルティエ「タンク サントレ」
「タンク アメリカン」のフラットな裏蓋に対し、2019年の「タンク サントレ」のケースサイドはラグが裏蓋からはみ出るように薄く、曲線的になっている

 奇しくもカルティエは今回、2017年の発売当時にA Week on the Wristの記事でも取り上げた、ミディアムモデルを展開から外している。ミディアムの縦サイズは41.6mmで、現在は35.4mm(スモール)から44mm(ラージ)までの差があり、多くの人にとってのゴルディロックス(黄金比)に当たる時計に、ちょっとした穴が空いてしまったのだ。少なくとも私はそのあいだに、少し引っかかるような感覚が残った。私の場合スモールのほうが快適で、ラージは少し手首に大きすぎるものの、「タンク アメリカン」のイメージにはぴったりだったのだ。とはいえケースがスリムになったことで、ラージサイズの「タンク アメリカン」は、従来のものよりもずっと身につけやすくなっている。それでもその中間的なサイズが欲しいという思いが残っていた。しかし多くの人にとって、ラージサイズはとても素晴らしいものであることには違いない。

 またサイジングに歴史的な正当性がないとも言い切れない。「タンク アメリカン」のラージサイズは、同じくラージのヴィンテージ「タンク サントレ」に相当し、小振りなスモールはミディアムのヴィンテージモデルとほぼ同じ大きさである。もし「タンク アメリカン」がヴィンテージの「タンク サントレ」を意識しているのであれば、カルティエのサイジングも文字どおりの意味を持たせているようで、その点についてはあまり非難はできない。

カルティエ「タンク アメリカン」のリストショット
 1921年、カルティエは「タンク」初のカーブしたケースとなる「タンク サントレ」(フランス語で曲がったという意)を発表。これは1920年代らしい時計で、その後このスタイルはすぐに廃れるもののやがて復活し、それ以来カルティエのカタログの主役として君臨し続けている。現在では記念モデルや限定モデルといった、入手困難なほどに美しいモデルとして登場を果たしており、「タンク」コレクションの最高級品のような存在になっている。その大きさゆえに、現代の嗜好に最も適切な「タンク」でもあるのだ。

カルティエ「タンク アメリカン」のRGモデルのイメージ
 しかし「タンク サントレ」は、我々がInstagramを通じて垂涎するようなコレクションとしてほぼ限定しており、そのほかの人たちにとって、湾曲した「タンク」は「タンク アメリカン」なのだ。1988年にYGのみで登場したが、2017年にSS製が発表されると、“入門用”タンクとしてのベストセラーのひとつとなった。SS製ラージ「タンク アメリカン」は90万7500円(税込予価)で販売される。ロレックス オイスターパーペチュアル 36と基本的に同じ価格のため、すぐにわかるデザインでありながら素敵でスタイリッシュな時計が欲しい、また毎日でも身につけられる時計が欲しいという人は、自然と買いに赴くかもしれない(なお「タンク アメリカン」は30m防水仕様)。「タンク アメリカン」はアリゲーターストラップがセットになっているが、もっとカジュアルなタイプでも違和感はないと思う。

 今年行われた「タンク アメリカン」のアップデートは、そのすべてがカルティエらしくなった。ほんの少しスリムかつエレガントであり、そしてつけやすくなったが、多くの人にとってその変化はほとんど感じられないだろう。そしてそれこそが重要なポイントなのだ。

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